「大学受験用のおすすめ英単語帳ってどれ？」
「どう選べば、ぴったりな英単語帳が見つかる？」
「有名な英単語帳にも、デメリットはある？」
こんな疑問にお答えします。
本記事は、大学受験を控える受験生のために、目黒の英語専門塾ENGLISH-Xに在籍する東大生講師が監修して制作しました。
これから本格的に英語を学ぶ方に、おすすめ単語帳や単語帳選びのポイントを厳選してお伝えします。後半では英単語帳の活用方法にも触れているので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください！
※この記事は、13分で読めます。
大学受験におすすめの英単語帳一覧
まずは、結論からお伝えします。以下が、本記事で受験生におすすめの英単語帳の一覧です。
- 英検2級 出る順パス単（旺文社）
- 英単語ターゲット（旺文社）
- システム英単語（駿台文庫）
- 英検準1級 出る順パス単（旺文社）
- 英単語Stock4500（文英堂）
- 鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁（KADOKAWA）
- 速読英単語【上級編】（Z会）
「英単語帳は種類がいっぱいあって、どれを選んでいいかわからない…」という方は、この一覧から英単語帳を選びましょう。大学受験に通用する力を養う一冊として、どれも間違いないはずです。
しかし、どの英単語帳を選ぶべきかは「受験生の状況による」というのも事実。よって本記事は、主観的な「おすすめ英単語帳ランキング」形式ではなく、候補として「一覧」を示します。紹介する英単語帳の特徴や推奨理由も解説するので、ぜひ選定の参考にしてください。
大学受験におすすめの英単語帳3選【1冊目編】
まずは、大学受験を控えるすべての受験生におすすめしたい英単語帳をご紹介します。1冊目として選ぶなら、以下の3冊がおすすめです。
- 英検2級 出る順パス単【イチオシ】
- 英単語ターゲット
- システム英単語
1.英検2級 出る順パス単（旺文社）
「でる順パス単」シリーズは初刊が1998年と、30年以上指示されてきた信頼と実績の1冊。タイトルどおり、本来は英検対策における定番の英単語帳です。
特徴とレベル
一見「大学受験用として、本当に適切なの？」と思われがちですが、よく考えてみると受験生にもぴったり。その理由は「でる順パス単」シリーズは、準2級・2級・準1級としっかりレベル別に分けられていて、志望大学や個人のレベルに合わせて学習しやすいからです。
なかでも2級編は、入試標準レベルの語彙をしっかりカバーしているため、1冊目として選ぶのには最適です。また昨今は、ほぼ全受験生が英検を受けるため、英検対策を兼ねられる点も魅力の1つに挙げられるでしょう。
メリット・デメリット
最大のメリットは、頻出単語が「でる順」に並んでいるので、効率よく英検対策が可能な点です。英検を徹底分析して見出し語が選ばれているので、英検合格に必要な語彙を確実に習得できます。さらに1つの単語に対する派生語や例文も充実しているのも、おすすめポイントです。
デメリットは、5訂版で単語の選定範囲が広がり、英検大問1の語彙問題の正答カバー率が下がった点です。英検の得点力アップにコミットしたい方には、不満が残るかもしれません…。ただし初めから受験対策も兼ねて使うなら、むしろ改良されたと見ることもできます。
機能・その他の特徴
「でる順パス単」シリーズには、学習をサポートする音声も付属。公式アプリ「英語の友」に無料で音声のダウンロードが可能で、移動時間にスマホで音声を聴きながら学習できます。
また学習効果を測るテストもあり、暗記のセルフチェックも可能。さらに単語編だけでなく、熟語編や会話表現編・英作文編もあり、英検2級レベルの語彙力を総合的に高められるのも嬉しいポイントです。
口コミ・評判
以下は『英検2級 出る順パス単』の口コミや評判です。実際に使った人のリアルな感想も参考にしてください。
英検2級定番の単語帳ですが、使用する上で少し注意が必要です。パス単シリーズは、長文やリスニングなども含めた、全ての問題内の英文における頻出度に基づいて、単語を選定・掲載しているため、大問1の語彙問題におけるカバー率はそこまで高くないことが多いです。
引用：Amazon「英検2級 出る順パス単 購入者のレビュー」より
書籍は見やすく例文も十分で満足しているのですが、購入者が利用できるアプリがとても良かったので他と迷ったらこれを勧めます。音声で発音やアクセントを確認でき、単語テストが使いやすいのでスキマ時間にやれてます。書籍が手元にない時でもアプリだけでも勉強できるし、音声を聴いてるだけでも定着に役立ちます。
引用：Amazon「英検2級 出る順パス単 購入者のレビュー」より
2.英単語ターゲット（旺文社）
『英単語ターゲット』は、これまで多くの受験生を支えてきた定番中の定番の英単語帳です。学校で配布されていて、すでに持っているという高校生も多いのではないでしょうか。
特徴とレベル
レイアウトがシンプルで、一語一義（1つの単語にある1つの意味）で覚えるのに向いている英単語帳です。実際の使い方も例文とその和訳ですぐに確認できるため、英語が苦手な人でも取り組みやすさを感じるでしょう。
また学習者は、現状のレベルや目標に合わせた1冊を選ぶことも可能。3段階のレベル設定がされており、収録語数が少ない順に紹介すると、
- 英単語ターゲット1200
- 英単語ターゲット1400
- 英単語ターゲット1900
の3種類があります。
ただし「英単語ターゲットの公式サイト」によると、1200のレベルは「高校基礎〜入試必修」に設定されているため、本格的な大学受験用として選ぶなら1400か1900がよいでしょう。
ちなみに1400は「共通テスト〜中堅私大」までを、1900は「共通テスト〜国公立二次・難関私大」までをカバーしています。
メリット・デメリット
英単語が、試験に出る順に掲載されている点が「ターゲット」シリーズの最大のメリットです。実際の入試の過去問などを分析して割り出した「頻度データ」をもとにしているので、前から順に覚えていくだけで効率よく入試問題への対応力が身につきます。
デメリットを挙げるとするなら、このシリーズだけで最難関大学（東大・京大・医学部・早慶の上位学部）の語彙に対応することは難しい点です。収録語数のボリュームや1単語の複数の意味の覚えやすさ、語源の説明なども求めるなら、他の単語帳に分があるでしょう。
機能・その他の特徴
ターゲットシリーズは、無料で使える専用アプリに音声ファイルをダウンロードして、リスニング学習も可能。またアプリで暗記テストができるので、通学時間などのスキマ時間で学習しやすい点も受験生から支持されています。
口コミ・評判
以下は『英単語ターゲット』の口コミや評判です。実際に使った人のリアルな感想も参考にしてください。
1年ほど前に購入し、アプリと両方使用して勉強させていただきました。おかげで1900単語の発音とスペルが身につきました。例文もあって実践的だと思います。使いやすく、覚えやすく、とてもいい商品でした。
引用：Amazon「ターゲット1900 購入者のレビュー」より
- 1900なので、難関大を目指す人には心もとない。
- 英単語の黒字の意味の部分は黒字の中でも出やすいものもあれば、ほとんど出ないものもある。よって、2つ目の意味を覚えるときはターゲットは効率的ではない。
引用：Yahoo!知恵袋「ターゲット1900のデメリット」より
3.システム英単語（駿台文庫）
システム英単語シリーズ（通称：シス単）も、多くの受験生から支持されてきた英単語帳の決定版の1つです。20年以上の歴史を持ち、2025年現在は『5訂版』が最新版として刊行されています。
特徴とレベル
ミニマルフレーズを中心としたレイアウトが、2パターンある点が『システム英単語』の最大の特徴です。語法問題に絡みやすい単語や複数の意味がある単語は、解説が詳しいAパターン表示で、語法が単純で派生語も少ない単語は、シンプルなBパターン表示になっています。
またシス単シリーズには、2つのレベル設定があります。高校英語の基礎に重点をおいた『システム英単語Basic』と、大学入試標準レベル以上から難関大学レベルまでをカバーする『システム英単語』の2冊です。
Basicだけでは入試への対応力を十分に養えないので、本格的に大学受験のために英語を学ぶなら、まず『システム英単語』を選べばOKです。ちなみに収録語数は、ターゲット1900よりもやや多く、必出単語2000語・多義語180語となっています。
メリット・デメリット
『システム英単語』の最大のメリットは、頻出単語順に英単語が掲載されている点です。膨大なデータや近年の傾向を踏まえているため、前から順番に覚えていくだけで重要単語をしっかり押さえられます。
その一方で、デメリットとして「ミニマルフレーズで覚えるが故に、違うフレーズのなかでは単語の意味や単語の別の意味が思い出しづらい」という意見もあります。レイアウト上、多くの人がミニマルフレーズの関連語から意味を推測するので、この問題は仕方ないでしょう。
ただしミニマルフレーズのデメリットは、英語学習を進めていくうちに解消されるものです。さまざまな英文や問題に触れることで、状況に応じて適切に単語の意味を特定できるようになります。
機能・その他の特徴
システム英単語は、音声のダウンロードも可能です。無料版でも十分ですが、有料版と別売CDの音声なら、より充実したリスニング・スピーキング対策もできます。
口コミ・評判
以下は『システム英単語』の口コミや評判です。実際に使った人のリアルな感想も参考にしてください。
読み書きのできないインド人、ちゃんとした家の出の女性、主に女性の仕事、など
前時代的な例文が掲載されているのが残念。
とても見やすいレイアウトをしています。他の単語帳と違って、見開き1ページに全て新しい単語が載ってあるので効率よく学ぶ事ができ、ミニマルフレーズで覚えにくい単語もきちんと覚えることができます。
大学受験におすすめの英単語帳4選【2冊目編】
ここからは、2冊目としておすすめの英単語帳を4つ紹介します。ラインナップは、以下のとおり。
- 英検準1級 出る順パス単【イチオシ】
- 英単語Stock4500
- 鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁
- 速読英単語【上級編】
東大や京大・早慶や医学部などの難関大学・学部の受験に対応する英単語帳をチェックしていきましょう。
1.英検準1級 出る順パス単（旺文社）
『英検準1級 出る順パス単』は、タイトルどおり英検準1級対策を主な目的とした英単語帳です。しかしハイレベルな入試問題への対応力を鍛える目的にも、かなり使えます。
特徴とレベル
最大の特徴は、英検準一級レベルの重要単語が「出る順」に学べることです。これにより、効率よくハイレベルな語彙力UPが期待できます。
場合によっては、1冊目の英単語帳で見たことのある単語も結構あるかもしれませんが、それは決して無駄ではありません。「見たことがある」と気がつくことで、その単語の重要性を感じられますし、結果的に重要単語を覚える機会が増やせて安心だからです。
『英検準1級 出る順パス単』は、早慶レベルの語彙もカバーしています。学習に取り組むことで、難関大レベルの問題にも対応できる力がつくでしょう。
メリット・デメリット
『英検準1級 出る順パス単』に取り組むメリットは、入試と英検の対策を並行できる点です。もし英検準1級を取得できれば、大学受験の優遇（加点・得点換算など）が最高レベルで受けられ、難関大学・学部の出願資格を得られることも…。実力も高められ、入試が有利になるチャンスもあるなら、やらない選択肢はないでしょう。
一方デメリットとしては、レベルが高すぎて人によってはオーバーワークになる可能性があることです。たとえば早慶と一括りにしても、準1級レベルの語彙を苦労して覚えずに問題が解けるケースもあります。そのため、以下のパターンの人から優先的に取り組むべきでしょう。
- まだ入試までの時間に余裕がある人
- 過去問を解いて語彙力UPの必要性を感じた人
基本的に2冊目の英単語帳として推奨しており、高3の夏までには取り組んでおきたいところです。高いレベルの大学を目指したい方は、少しでも早く学習をスタートできるように、まずは1冊目の英単語帳（2級編や同レベルの単語帳）を仕上げましょう。
機能・その他の特徴
本記事で紹介している『でる順パス単』シリーズの2級編と同様に、学習をサポートする音声がついていたり熟語も学べたりなど、機能性は上述した内容とほぼ同じです。
1つ注意点を挙げるとすれば、4訂版と5訂版の違いです。最新版である5訂版の『英検準1級 でる順パス単』は、従来と比べると易化したと感じる人が多くおり、4訂版のほうが「早慶の入試や英検準1級の語彙問題の対策に使える」という声もあがっています。
口コミ・評判
以下は『英検準1級 出る順パス単』の口コミや評判です。実際に使った人のリアルな感想も参考にしてください。
まったく出なくて、ショックでした。ボロボロになるまでやりこんだのに。自分だけそう感じるのかと思ったら、友人でパス単を使ってる子が準1受けて同じ感想を言ってました。ただ、ライティングに使える語彙力は身についたので、まったく無駄ではなかったのですが。
引用：Amazon「英検準1級 出る順パス単 購入者のレビュー」より
主に高校生の使う単語帳には、単語、発音記号、品詞、意味、語法、派生語、語源、用例など、著者がどこに重点を置いたのかでその本の特性が決まると思うが、バス単の良さは簡潔で時勢に合った流れるような用例が多い点にあると感じる。受験の単語帳には用例は必要ないと言われる先生の言葉も一理はあるが、そもそもよい用例採取は言語学習の基本なので、パス単には花○をあげたい。
引用：Amazon「英検準1級 出る順パス単 購入者のレビュー」より
2.英単語Stock4500（文英堂）
『英単語Stock4500』の著者は、スタサプでお馴染みの「関正生」先生です。わかりやすい解説が多くの受験生にも支持されており、さまざまな参考書を出版しているので、知っている人も多いはず。
特徴とレベル
過去問や近年の入試で出典となった英字メディア、英検などの資格試験から、トレンドを反映した英単語がしっかり選出されている点が最大の特徴です。本書の構成は、以下のようになっています。
- 基本語：1645語
- 出題急増のトレンド語：310語
- 出題する可能性が高いトレンド語：200語
見出し語すべてに記憶ブースター（記憶を後押しするコメント）があり、単語のイメージが頭に残り、覚えやすくなっている点も受験生には嬉しいポイント。収録単語は、おおよそ大学入試の標準からGMARCH・早慶までのレベルをカバーしています。
メリット・デメリット
英単語Stock4500を手に取る一番のメリットは、やはり近年の入試トレンドに沿った単語を押さえられる点でしょう。出る順やレベル別で単語を掲載した際に見ることは少ないが、知っておいたほうが解答しやすくなる単語も押さえられるので、とても実践的といえます。
ただし「基本的な単語はある程度押さえている」という前提で単語が選出されているので、入試標準レベル以下の単語から覚えたいという人には向いていません。あくまで2冊目の実力UP用として、手にとるのがベターでしょう。
機能・その他の特徴
『英単語Stock4500』の機能は、単なる英単語帳にとどまりません。全体の構成は、以下の3パートに分かれています。
- 文法×単語
- 読解×単語
- 4技能×単語
「入試でどの単語が、どう出題されるか」という点に言及しているので、私大系の英語の問題に多い、文法・語彙系の問題に強くなりたい人におすすめの1冊でしょう。もちろん音声ダウンロードにも対応しており、スキマ時間を使った英単語の学習も可能です。
口コミ・評判
以下は『英単語Stock4500』の口コミや評判です。実際に使った人のリアルな感想も参考にしてください。
イメージや語感は身につくが、関さんはかなり絞っている。システムやターゲット、鉄壁全てに出てくる入試重要語のrenderなんか全く載っていない。コンセプトは面白い。丸暗記はいらんけど、例文が省略されているものがある。悲しい。
引用：Amazon「英検2級 出る順パス単 購入者のレビュー」より
意味がシンプルで見やすい。読み方も書いてあるので、頭に残しやすい。右ページのこぼれ話的なものや、文法に絡めた解説は秀逸。一読すべし。
引用：Amazon「英検2級 出る順パス単 購入者のレビュー」より
3.鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁（KADOKAWA）
『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』（KADOKAWA）は、そもそも東大受験専門塾である「鉄緑会」が作った東大受験のための英単語帳です。しかし東大受験以外にも活かせる場面は多く、ハイレベルな語彙力を養成したい人に最適な英単語帳となっています。
特徴とレベル
最大の特徴は網羅性の高さで、タイトルどおり『鉄壁』と呼べる1冊。見出し語が3,100語と、掲載単語数が他の英単語帳を圧倒しています。しかも難単語が多く並べてあるだけでなく、一単語ごとに派生語や反意語を掲載しているため、学習効率を高めることも可能です。
東大はもちろん、京大や医学部系、早慶の難関学部などの語彙にも対応しています。英語の入試問題の最高峰に挑むなら、この英単語帳を2冊目に迎えたいところです。
メリット・デメリット
『鉄壁』を選ぶメリットは、受験英語の網羅性の高さです。しかし敢えて別の点をあげるなら、単語を覚えやすくする配慮がある点にも言及すべきでしょう。語源の解説が他の単語帳よりも非常に充実していて、覚えにくい単語にはイラストの解説もあります。
デメリットは、情報量の多さです。一見よいことのように思えますが、目を通してすべてを覚え切ることや、限られた受験勉強のなかで、1冊をやり切ることは簡単ではありません。
また構成がテーマ別順になっていて、見出し語は頻出順・難易度順に並んでいません。よって別の単語帳で重要単語を押さえて、知識の強化・整理に使うのがベストでしょう。
機能・その他の特徴
多くの単語帳にあるように「一単語ごとに1つの例文」が掲載されているため、英単語と日本語を単に覚えることを避けて、単語のニュアンスを掴むことも可能です。
さらに『鉄壁』には、熟語も掲載されています。これ1冊で熟語までカバーできるため、熟語の知識が問われる難関私大に挑戦する人には、うれしいコンテンツです。
口コミ・評判
以下は『鉄壁』の口コミや評判です。実際に使った人のリアルな感想も参考にしてください。
小さい文字がビッシリ書いてある印象。行間の隙間も狭くて、読んでいる行の前後の行の文字が目の端にチラついてきて、読むのに疲れる。
基礎的だが重要な、単語・熟語・語法・構文の知識が本当に良くまとまっており、パラパラとページをめくっているだけで、英語の重要事項の総復習になるのだから、この本はターゲットやシス単などと同じカテゴリーの重要単語を寄せ集めたものではなく、英語力全体を1冊で効率よく底上げしてくれる名著だ。
4.速読英単語【上級編】（Z会）
『速読英単語【上級編】』は、独自のスタイルで語彙力を養成する視点で作られた英単語帳です。ただ暗記するのではなく、より実践的に単語を学びたい方には最適なのではないでしょうか。
特徴とレベル
最大の特徴は、英単語帳の構成です。長文読解とその和訳ページの次に、見出し語のページが来るようになっており、習得したい単語を長文の展開やストーリーと関連づけて覚えやすくなっています。
また『速読英単語【上級編】』には、未知語の意味を推測する課題があったり、接頭辞・接尾辞から意味を推測するコラムがあったり、ハイレベルな長文を読む際に必要な力が自然と養えます。読解力と語彙力の強化を並行したい受験生には、うってつけの教材でしょう。
タイトルどおり『上級編』は、難関大合格のための1冊です。近年の入試問題や各種データベースを分析して、厳選されたハイレベルな1200語を収録し、早慶や難関国公立大のレベルに対応しています。
メリット・デメリット
『速読英単語』の名のとおり、英単語帳でありながら長文の読解力が鍛えられる点は独自のメリットです。さまざまなテーマの長文の音読ができるので、英語を英語のまま理解して読む練習となり、結果的に速く英文を読む力が身につきます。
デメリットは、学習効率がよくない点です。重要単語が頻出順に掲載されていないので、すべて学習し終えて、やっと本当に活かし切れる英単語帳といえるでしょう。また入試標準レベルの長文がスラスラ読めない人も、うまく活かしきれない可能性が高い教材です。
機能・その他の特徴
別冊には本体の長文と解説があり、文構造の理解もサポートしています。また英文と単語の音声は、各ページの二次元コードを読みとって聞くことが可能なため、リスニング力・スピーキング力の向上にも役立つでしょう。
口コミ・評判
以下は『速読英単語【上級編】』の口コミや評判です。実際に使った人のリアルな感想も参考にしてください。
社会的な事例や科学的知見に基づいた論考は歓迎しますが、自分勝手な想像や意見で結論づける項目もあって首をかしげます。特に最後の「責任について」は自分の想像を出し入れしているだけで結局、何を言いたいのか、日本語訳を読んでもさっぱり理解できません。受験生がこれで悪戦苦闘するなら気の毒です。入試問題だからといって盲目的に取り上げるのではなく、もっとためになる知見にあふれた英文を探すべきでしょう。
引用：Amazon「速読英単語【上級編】 購入者のレビュー」より
単語をただ入れるだけじゃなくて長文内に入っている状態で読めるようになりたい･類義語も入れておきたい･軽く発音の確認がしたい･自動詞他動詞などの分類まで知りたい･単語を接頭語、接尾語などで推測できるようになりたい(コラムが豊富)このような方におすすめしたいです。
引用：Amazon「速読英単語【上級編】 購入者のレビュー」より
大学受験におすすめの英単語帳を選ぶポイント3選
どの英単語帳を選ぶかは、英語の学習を充実させるための重要ポイント。なぜなら「どの英単語帳」を「どう使うか」で、成果が変わる可能性があるからです。
なお本記事では、次の3つを英単語帳選びの重要ポイントとしてあげます。
- 必要性
- レベル
- 学びやすさ
詳しい内容は、以下でチェックしていきましょう。
1.必要性
英単語帳選びは、英語学習をするうえで重要なファクターです。しかし、すでに英単語帳を持っている人は「そもそも新しく購入する必要性があるのか？」ということも考えるべきでしょう。
なぜなら今使っているものに慣れているなら、その1冊目を活用し倒すのがベストな場合もあるからです。たとえば学校で『英単語ターゲット1400』を使用しており、英語を受験する機会が共通テストだけの受験生がいるとしましょう。
この1冊を仕上げられていれば、十分に通用する力がついていますし、知らない単語が出てきた機会にそれを覚えるというスタイルのほうが効率的かもしれません。
確かに単語は、1つでも多く知っていたほうがよいでしょう。しかし志望大のレベルに対する過不足のない英語力をつけ、別の科目の得点力UPを考えるほうが、トータルの学習効率はよくなるでしょう。
2.レベル
単語帳を選ぶときは「レベルが合うか」という点を、しっかり考えましょう。その際、2つの観点を持つことが重要です。
- 今の自分のレベルに合うか
- 志望大のレベルに合うか
たとえば高校基礎の語彙力も固まっていないときに、英検準1級レベルの英単語帳は必要ありません。懸命に取り組んでも、時間の無駄なることすらあるでしょう…。ハイレベルな単語帳は収録語数が多く学習に時間がかかるうえに、基本単語は載っていません。
また志望大学に合格できる英語力が身につく英単語帳を選ばないと、新たに単語帳を買い足さなければなりません。時間もお金も無駄にしないように、基本は2冊以内で志望大学のレベルをカバーするように単語帳を選びましょう。
3.学びやすさ
英単語帳は、あなたが「学びやすい」と感じるものを選びましょう。コンセプトや構成、レイアウトや機能性など、英単語帳には違いがあり、人によって理想的なものは変わります。
人の意見も参考にしつつ、最終的には自身の感性を信じてOKです。実際に手に取ってみるのが理想ですが、大きな書店が近くになくて品揃えのバリエーションがないときは、この記事で紹介している英単語帳を選んでください。自信を持っておすすめできます。
大学受験向け英単語帳のおすすめの使い方5選
ここでは、大学受験に向けた英単語帳のおすすめ活用法を紹介します。どの英単語帳を選んでも共通する内容になっているので、ぜひ学習の参考にしてください。
1.最低でも3周はやる
どの英単語帳も、最低3周分は取り組みましょう。なぜなら繰り返し学習しないと、記憶は定着しないからです。
1度テストまでして覚えた単語でも、しばらく時間がたって忘れてしまうことは誰にでもあることです。時間をあけて同じページをもう一度学習することで、忘れていた部分を補いましょう。
パッと見で意味のわかる単語に印をつけると、確認すべき単語が減り、2周目以降の学習効率が上がります。一手間かかりますが、ぜひ実践してみてください。
2.短期集中で覚える
英単語帳には、短期間で集中的に取り組んでください。初めて取り組む英単語帳でも、これまで使ってきたを英単語帳でも、網羅する期間の目安は長くても1ヶ月半です。「1日100個ペース」で取り組むのが、管理や分量の面から推奨されます。
語彙の知識が足りない状態で過去問演習に入っても、本当の実力が計れません。入試問題のなかには語彙の知識を前提に、受験者の判断力・思考力・表現力を問う問題があるからです。
また語彙力が不足していると、心の中で「知らないから解けなかった」という言い訳をしてしまう可能性もあるでしょう。実践的な学習に進んで、早く効果的に実践演習を行うために、少しでも短い期間で最初の1周目の学習を終えましょう。
3.書かずに覚える
単語は、書かずに覚えてもOKです。習慣的に、書いて覚えようとする人もいるでしょう。しかし、よくよく考えると英語を書く機会は、そう多くありません。
近年は、大学受験でも英検でも英作文や要約など、英語を書く機会を意図的に増やそうとする流れになっています。しかし大学入試の多くはマーク式なので、実際は英単語を見て学習したうえで、きちんと意味を覚えていれば高得点を獲得する準備は十分です。
もちろん「書いて覚える」のが、まったく無駄な行為という訳ではありません。実際に書ければ、きちんと「覚えた感」もあります。しかし書く回数を決めるなど、機会的な作業になってしまうと効率的な学習とはいえないでしょう。
さらに詳しく英単語の覚え方を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
https://englishx.jp/daigakujyuken-eigo-oboekata/
4.カスタマイズする
必要に応じて英単語帳に筆を加えて、自分だけのオリジナル英単語帳を作りましょう。他の参考書やノートに書くより、英単語帳にメモを集中させたほうが一覧性が高まり、効率よく語彙の知識を整理できます。
ただし、書き込むスペースには限りがあります。あまり書き込みすぎると視認性が悪くなったり、本当に大事なことがぼやけてしまったりする恐れも…。書き込むのは、何度も忘れてしまった点や区別をはっきりさせたい点などに絞りましょう。
5.スキマ時間に見返す
英単語帳は、どれも基本的に手に収まるサイズ感です。通学時間の電車やバスのなかでも広げてみやすく、スマホアプリを活用できる英単語帳もあります。
がっつりとした暗記は、机に座って取り組むほうが集中できるでしょう。しかし以前覚えた単語の確認や復習なら、スキマ時間を使って気負わずに取り組めます。スキマの時間にコツコツと英単語帳を見返す習慣を身につけて、学習効率UPにも努めてください。
英単語帳のマスターは大学受験を成功させる第一歩！
すでに持っている英単語帳が目標に効率よく到達できるものなら、そのままでOKです。しかし手元の英単語帳が、あなたのニーズにマッチしていない場合もあります。
ぜひ記事でおすすめした7冊や選び方を参考にして、最適な単語帳を見つけてください。大学受験の重要科目である英語で高得点をとるには、英単語帳のマスターが必須です！
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