
難関大学入試では、高度な知識だけでなく、中学英語の正確さが合否を分ける場面が多々あります。
中学英語で習う基本ルールを曖昧なまま放置すると、記述問題や長文読解の失点に直結しかねません。
そうならないためにも「中学英語の完成度」は非常に重要になってきます。
本記事では、英検1級取得者であり、目黒の英語専門塾ENGLISH-Xの塾長佐藤圭が、多くの受験生が見落としがちな中学英語のやり直しポイントを10個厳選。
*この記事は約8分で読めます。
なんとなくで済ませがちな「語法・ルール」のやり直し3選
「難関大学入試だから」といって、やみくもに難しい問題だけを解いて、基礎を疎かにした勉強法では最終的に伸び悩んでしまいます。
中学英語の復習を含め、正しい勉強法を実践することが合格への近道となるでしょう。
1.自動詞と他動詞の見分け方
自動詞と他動詞の区別は、英文法の根幹を成す要素です。
見分け方の本質は、「動詞の直後に目的語となる名詞を直接置けるかどうか」という点にあります。
例えば、reachとarriveは共に「着く」という意味ですが、reachは他動詞のためreach the stationと後ろに直接名詞を置くことができます。
それに対してarriveは自動詞なので、arrive at the stationのように前置詞が必要です。
こうした違いを無視すると、英作文や長文読解、並べ替え問題で語句の役割を見誤る原因となります。
中学時代にこれらをあまり意識してこなかった場合、もう一度きちんと復習することをおすすめします。
2.可算名詞と不可算名詞の判別
名詞を数えられるかどうかで区別する感覚は、正確な英文を構成する上で欠かせない要素です。
例えば、appleのように個体として数えられるものは可算名詞に分類されます。
これに対して、waterのように形を変える物質は、基本的に不可算名詞として扱われます。
難関大学入試の英作文ではこれらの些細なミスが減点対象となるため、
もし中学時代に「なんとなくこれかな」「読めてるから問題ないかな」と乗り切ってきてしまった場合には、やはりきちんと復習しておきましょう。
3.形容詞と副詞の修飾ルール
形容詞と副詞の役割を正しく理解することは、文の構造を正確に把握するために重要です。
「形容詞は名詞を修飾する」と頭ではわかっていても、これまであまり意識してこなかったという人も少なくないでしょう。
例えばa beautiful flowerでは、形容詞のbeautifulが名詞のflowerを修飾しています。
一方、動詞や形容詞などを修飾する副詞は、He runs fast のような文章で、副詞の fast が動詞の runs を修飾して「どのように走るか」を説明しています。
こうした基本的なことをしっかりと身につけておくことが、難関大学入試においても非常に重要になります。
「中2・中3の主要文法」やり直し3選
中学英語、なかでも中学2年・3年で習う文法は、難関大入試の合否に直結する重要項目が揃っています。
この時期の文法に曖昧な点が残っていると、応用問題で正確な解答を導き出すことが難しくなります。
1.不定詞の「3つの用法」の見極め方
不定詞を正しく判別するには、「文の中でどの単語を説明しているか」ということを意識する必要があります。
- 名詞的用法:文の主語や目的語になります。例えば I like to swim(私は泳ぐことが好きです) のように、動作そのものを「名詞」として扱う役割を担います。
- 形容詞的用法:直前の名詞を後ろから修飾します。a place to visit(訪れるべき場所)のように、名詞の内容を補足する際に使われます。
- 副詞的用法:動詞などを修飾し、目的や原因を付け加えます。I went there to see her(私は彼女に会うために、そこへ行きました)のように、動作の理由を補うのが典型的です。
訳してみて判断に迷ったときこそ、中学英語で不定詞をきちんと学習してきたかの差が出てきます。
2.現在完了形の「時間軸」の捉え方
中学英語の中でも現在完了形が苦手だった人も多いのではないでしょうか。
現在完了形を理解する鍵は、過去形との違いを明確にすることにあります。
過去の一点を示すのではなく、過去と現在をつなぐ「線」をイメージしてみましょう。
- 継続:過去から現在まで状態が続いていることを表します。例えば I have lived here for five years. (私はここに5年間住んでいます。)といえば、過去も含めて現在も住んでいることを意味します。
- 完了・結果:ある動作が終わったことが、現在に影響していることを示します。I have just finished my homework. (私はちょうど今宿題を終えたところです)ならば、宿題を終えたという事実が、現在の状況に直接つながっています。
- 経験:今までの人生の中で、経験したことがある状態を示します。I have seen that movie twice. (私はその映画を2回見たことがあります。)といった文章では、今の時点で「映画を見たことがある」という経験があることを表します。
これらのように過去が現在にどう影響しているかを意識して、文脈を整理しましょう。
3.現在分詞と過去分詞の使い分け
分詞の使い分けに迷ったときは、修飾される名詞との間に「する」か「される」かという関係性をあてはめてみましょう。
- 現在分詞(〜ing):名詞がその動作を「している」という能動の関係を表します。a sleeping baby ならば、赤ちゃんが「眠っている」という能動的な状態を説明します。
- 過去分詞(〜ed):名詞がその動作を「されている」という受動の関係を表します。a broken window ならば、窓が「壊された(壊れている)」という受動的な状態を指します。
文の中で分詞を見かけたら、まずは修飾している名詞との関係性を確認しましょう。
長文読解の土台になる「文の構造」やり直し4選
難関大学入試の英文を読み解く力は、中学で学ぶ「文の構造」を正しく理解することが非常に重要です。
複雑な文章でも、基礎となる構造が頭に入っていれば正確に把握できるようになります。
まずは中学英語の構造に立ち返り、土台を固めることが不可欠です。
1.「and」がつなぐ単語と単語のセット
「and」は中学英語で習う簡単な単語ですが、大学受験でも非常に重要な役割を担っています。
難関大学入試の長文では、一つの「and」がどの単語とどの単語を結びつけているのかを正確に判断する力が求められます。
この判断を誤ると、文全体の主語や目的語を読み違え、文章構造を見失いかねません。
中学英語では「and」や「or」などの並列構造をあまり意識していなかった場合は、基本に立ち返って確認してみましょう。
2.長い主語の終わりの動詞を見つけるコツ
難関大学入試では、主語に長い修飾語がつき、動詞にたどり着くまでに時間がかかる文が多用されます。
中学英語で学習した「前置詞」や「不定詞」などの修飾部分を意識することで、文の核となる動詞を見分けやすくなります。
例: The book [on the desk in the library]is mine.
このように、主語と動詞のセットを瞬時に特定することができれば、文章全体をより自然に理解することができるでしょう。
3.Becauseなど接続詞の重要性
難関大学入試の長文では、一文の中で理由を問われる場面が多く出題されるので、その文節をきちんと理解している必要があります。
中学英語で学ぶ接続詞の役割を再認識し、「どこからどこまでが理由」なのかを正確に区切ることで、文の結論を迷わず掴めるようになります。
「何を問われ、何の理由を答えるのか」といった問題に抵抗がないよう、中学英語に立ち返ってきちんと解答できるようにしておきましょう。
4.関係代名詞の「構造」と見抜き方
難関大学入試の長文でつまずく原因として、関係代名詞によって文章が複雑化することが挙げられます。
中学英語の基本に立ち返り、関係代名詞が作る構造を瞬時に見抜ける力を養いましょう。
ポイントは、関係代名詞(who/which/thatなど)を見つけた瞬間に「ここから説明が始まる」と、その構造を見抜くことです。
例: The girl [who lives next door] is a student. ([隣に住んでいる] 女の子は、学生です。)
この文では、関係代名詞 who から始まった修飾部分が、2つ目の動詞 is の直前で終わっています。
この文章は比較的難易度が低いですが、この視点が定着していないと、難易度が上がるにつれて「どれが主節の動詞か」を判別できず、読解スピードが落ちてしまいます。
そうならないためにも、関係代名詞に不安がある場合は早めに中学英語を復習しましょう。
中学英語の完成度を「英検」で測る
中学英語の習得状況を客観的に把握する指標として、英検を活用してみましょう。
繰り返しになりますが、大学入試に向けた土台作りにおいて、中学英語の文法や単語が定着しているかを確認することは大切です。
中学卒業程度とされる英検3級の問題を解いてみて「自分の苦手な部分」を把握しておくとよいでしょう。
英検は、「英検S-CBT」方式を含め、年に複数回実施されているので自身のスケジュールに合わせて受験してみるのもおすすめです。
(参考:英検(実用英語技能検定)|公益財団法人 日本英語検定協会)
まとめ
難関大学入試の複雑な問題を解く鍵は、「中学英語の盤石な基礎」にあります。
「いまさら中学英語を復習している時間はない」と思うかもしれませんが、
文の骨組みや修飾構造を中学英語の視点で正確に把握する習慣こそが、試験本番で揺るがない読解力と得点力を生み出します。
ENGLISH-Xでは、生徒一人ひとりに合わせた完全オーダーメイド授業を行っているため、入試までに自分の英語レベルを着実に上げることができます。
少しでも気になった方は、ぜひ無料体験授業にご参加ください。
講師一同、心よりお待ちしております。
参考・出典一覧
参考:英検(実用英語技能検定)|公益財団法人 日本英語検定協会
監修者
1989年、東京生まれ。
横浜市立大学にて言語教育、英語教授法、大学入試改革について研究。
大手進学塾で最優秀新人賞を獲得。10年以上の講師歴で延べ5万人を指導し、英検1級、英語スピーチコンテスト全国1位六冠、TEDxにて講演をするなど自身も英語発信を体現する。人間的な教育と社会人などを交えたキャリア教育をしたいという思いからENGLISH-Xを開校。



