
「早稲田大学法学部の英語の傾向と対策を知りたい!」
「早稲田大学法学部の英語の難易度を教えてほしい!」
そんな悩みを抱える受験生のための記事です。
早稲田大学法学部は、日本の私立大学のなかで屈指の難関として知られています。特に英語の難易度は高く、対策の徹底が不可欠です。
この記事では、そんな早稲田大学法学部の英語の入試問題について詳しく解説します。早稲田大学法学部を受験する方は、ぜひ最後までお読みください。
※この記事は約6分で読むことができます。
早稲田大学法学部の英語の入試概要
早稲田大学法学部の英語の入試は、一体どのように行われるのでしょうか。まずは試験時間や配点、出題形式などの概要を説明します。
試験時間と配点
早稲田大学法学部の英語の試験時間は、90分間です。また各教科の配点は、次のようになっています。
- 英語:60点
- 国語:50点
- 歴史・公民または数学:40点
上記のように早稲田大学法学部の入試は3科目で行われ、その合計は150点満点です。そのうち60点を英語が占めているため、合格を勝ち取るためには英語の対策がとても重要となります。
出題形式と解答方式
早稲田大学法学部の英語は、大きく分けて以下の2つのセクションに分かれています。また年度ごとに変わりますが、大問は7〜8題構成です。
- READING / GRAMMAR SECTION(長文・文法)
- WRITING SECTION(英作文・語句整序)
なお以下は、2024年度の英語の大問構成と解答方式です。目を通してみて、全体像をチェックしましょう。
大問番号 |
出題形式 |
解答方式 |
大問1 |
長文読解
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マーク式 |
大問2 |
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大問3 |
文法・語法など |
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大問4 |
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大問5 |
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大問6 |
英作文 |
記述式 |
大問7 |
上の表のように、大問1〜5までの解答方式はマーク式で、大問6〜7は記述式です。
早稲田大学法学部の英語のレベル・難易度
早稲田大学法学部の英語の問題レベルは非常に高く、私大のなかでも屈指の難易度といえるでしょう。受験者の平均点は、例年50%前後ほどに留まっています。
英文が長いだけでなく、解答に時間がかかる設問も多いため、時間に余裕を持って解ける受験生は多くないはずです。また対策が不十分だと容易に解けない独特な設問もあります。
公表されている法学部の合格最低点(得点調整後)が60%前後であることを考慮すると、英語の理想的な目標点は、素点ベースで70%(42点)とするのがよいでしょう。
早稲田大学法学部の英語の傾向
ここからは、早稲田大学法学部の英語の出題傾向について詳しく解説します。
徹底した対策のためには、傾向の分析が欠かせません。まずは、最新の出題傾向をしっかり押さえましょう。
長文読解
早稲田大学法学部の英語がトップレベルだとされるのには、長文読解の難易度の高さが関係しています。最大の特徴は、その文章の長さです。
やや変動は見られるものの、長文の総語数は例年1,900語前後で推移しており、受験生はいわゆる「超長文」を読むことになります。また長文読解には、以下のようなタイプの設問が主に出題されます。
- 段落要旨
- 内容一致(一致)
- 空所補充
- 同意表現
「段落要旨」は選択肢の数が12個と多く、早稲田の法学部英語ならではの設問となっています。また設問のなかには語彙・語法(イディオム含む)の知識を問うものもあり、特に「発音・アクセント」問題は定番です。
このように長文読解の設問は、バリエーションが豊富で英語の総合力が問われます。超長文を読みこなす集中力と、テキパキと解答する力を養う必要があるでしょう。
文法問題
早稲田大学法学部の文法問題には、基本に忠実な問題も多く見られます。そのため長文読解や英作文よりは、取り組みやすいはずです。
しかし設問が独特なので、決して気を抜けません。ひと通り文法・語法を学習して語句の意味や使い方を深く理解するだけでなく、選択肢を見極める力が必要です。なお文法問題には、主に以下の2つの設問が出題されます。
- 空所補充
- 正誤問題
なかでも受験生を苦戦させるのが、正誤問題です。英文に引かれている4つの下線部から誤っているものを選ぶ問題ですが、誤っているものがない「ALL CORRCT」が解答になることも…。消去法で解答が導き出せないため、難易度がぐっと引き上げられています。
文法問題で時間を節約しながら着実に得点を重ねることは、時間内に問題を解き終えて高得点をとるための条件になります。決して対策を怠ることなく、しっかり演習を積んで本番に臨みましょう。
英作文
2023年以降の問題では、2019年度から4年連続で出題されてきた「語句整序」が出題されず、以下の2タイプの英作文がメインとなりました。
- 課題英作文
- 自由英作文
2つのうち1つは、指示にしたがって書く形式の課題英作文です。もう片方は、90〜100語程度のスペースに記述をする自由英作文です。なお過去6年間は、イラストに関して自分の考えを述べる形式が続きました。
イラストから「どのような状況なのか」を読み取り、適切なフレーズや語句を使って「自分の意見」を英文で表現する必要があります。独特な問題なので、必ずこの大問に特化した英作文対策を行いましょう。
早稲田大学法学部の英語対策・勉強法【おすすめ参考書アリ】
ここからは近年の問題(大問数7)をベースに、各大問の対策・勉強法について解説していきます。おすすめの参考書も紹介するので、早稲田大学法学部を受験する方は、ぜひチェックしてください。まずは以下で、理想的な時間配分の例をチェックしましょう。
大問1〜2(長文読解) |
50分 |
大問3〜5(文法など) |
15分 |
大問6〜7(英作文) |
20分 |
上記のペースでも解答に85分かかるので、5分ほどの余裕しかできません。実力次第ですが、じっくり見直す時間は取れないと考えて、丁寧な解答を心がけてください。また以下の順に、試験を解き進めることを推奨します。
- 大問3〜5(文法など):15分
- 大問6〜7(英作文):20分
- 大問1〜2(長文読解):50分
長文読解を先に解いたほうが、確実に読解の時間は確保できるでしょう。しかし、そこにはリスクもあります。長文読解の出来は、その年の難易度や当日の調子に得点が大きく左右される可能性があります。
対策によって着実に得点を重ねやすい「文法」や「英作文」を優先したほうが、得点を安定させやすいはずです。ただし上記の順番はあくまで一例ですので、過去問を自分で実際に解いてみて、解きやすい順番も追求してください。
大問1・2:長文読解の対策
語彙力の高さは、早稲田法学部の長文に対応するための武器です。『ターゲット1900(旺文社)』レベルの単語帳をマスターし、さらに『英検準1級 でる順パス単(旺文社)』などでハイレベルな語彙の習得も目指しましょう。
また長文読解で他の受験生に引けを取らないためには、以下の2つの設問で得点を重ねる必要があります。
- 内容一致(不一致)
- 段落要旨
内容一致(不一致)や段落要旨は、きちんと本文内容を把握すれば正解できる問題です。しかし一方で、選択肢の吟味には時間がかかり、解答は慎重に行う必要もあります。以下で「解答のコツ」や「対策となる勉強法」にも言及しているので、チェックしていきましょう。
内容一致(不一致)の対策
残念ながら、内容一致(不一致)の解答の精度を上げるのに近道はありません。演習を重ねて、本文と選択肢を照らし合わせる作業に慣れ、解答の精度を上げましょう。
ただし、すべての設問で有効なわけではありませんが、設問(もしくは選択肢)の先読みは解答をスムーズにするでしょう。事前に設問の語句に目を通すことで、解答に絡みそうな部分とそうでない部分を意識して読めるからです。
対策を行う際は、法学部の過去問はもちろん、国際教養学部のReadingの過去問にも取り組んでください。超長文と類似形式の設問に取り組めるため、質の高い対策ができるはずです。
段落要旨の設問対策
近年は出題されない年もありましたが、これまで法学部の定番問題として出題されてきました。超長文を読むうえで各段落の主張を捉えて読むことは重要ですし、各段落の要旨を12もの選択肢から選ぶ独特な形式に適応するためにも、しっかり練習をしたい設問です。
効率よく解答するためのコツは、英文における「1パラグラフ1メッセージ」の原則にあります。1つのパラグラフには、筆者の主張が1つしか含まれない原則を意識して、各段落の主張を見つけてください。さらに、それを言語化(メモ)しておくと解答がスムーズになります。
このパラグラフ・リーディングの練習をするのに最適な参考書は『パラグラフ・リーディングのストラテジー(河合)』です。シリーズの1・2に取り組むことで、基本的な読み方の習得から実践演習までをカバーできます。
さらに長文の演習量を増やしたい方は、以下のものを利用しましょう。
- 『やっておきたい英語長文700(河合)』
- 『やっておきたい英語長文1000(河合)』
- 『【過去問】早稲田大学国際教養学部(Reading)』
上記のものを使えば、超長文の練習だけでなく、要約の練習もできます。
大問3:空欄補充の対策
主に英文中の空欄に、適切な前置詞や副詞などを補充する問題です。多くの選択肢から解答を選ぶ必要があるため、持っている知識はもちろん、消去法を使って効率よく絞り込んでいくことが大事です。
まずは自信のあるところから埋めていき、残った選択肢でさらに空欄を埋めましょう。序盤ではあまり時間をかけず、解答プロセスの後半で選択肢を吟味・調整していく(ときには選択肢を選び直す)イメージです。
過去問演習に入ってからはもちろん、それ以前から標準レベルの文法書を使って演習量は確保してください。『Next Stage 英文法・語法問題(桐原)』などの標準的な文法書で網羅性を高めた後に、実践演習に適した以下の参考書で弱点の発見と克服をしましょう。
- 『全解説 頻出英文法・語法問題1000(桐原)』
- 『全解説 英文法ファイナル問題集 難関大学編(桐原)』
上の2冊を使えば、入試レベルの問題演習が可能です。解説も充実しており、法学部の入試対策に適した問題も収録されている点が魅力です。文法に自信がない受験生は、各シリーズにある1つ下のレベルの参考書から始めるのもアリでしょう。
さらに、スキマ時間でイディオムの知識を蓄えるのもおすすめ。たとえば前置詞は、語の持つイメージを理解することが用法の理解につながり、暗記に頼らない学習を可能にします。『速読英熟語(Z会)』やワンランク上の『解体英熟語(Z会)』で知識も鍛えましょう。
大問4:正誤判定の対策
早稲田の法学部英語に出題される正誤判定が難しく感じられるのは、下線のある4箇所すべてが正しい、ALL CORRECTの選択肢があるからです。
しかし正誤を判定するときに必要な知識レベルは、それほど高くありません。もちろん選択肢の吟味は慎重に行う必要がありますが、基本的な文法知識がしっかり備わっていれば解ける問題がほとんどです。
対策のために、やるべき参考書・問題集は、記事中の「大問3:空欄補充の対策」で紹介している3つでOKです。着実に得点を積み重ねたい大問なので、しっかり練習をして臨みましょう。
大問5:空欄補充の対策
与えられた資料や英文を参考にして、空欄に入る適切な単語や語句を選択する問題です。文法・語法の知識も活用する問題ですが、文脈に合うものを選ぶ必要があります。
それほど難易度は高くないので、過去問演習で一定の得点が取れる人もいるでしょう。しかし、油断は禁物。入試までの学習では、正しい根拠で正解にアプローチできたかを確認しましょう。対策は、過去問と「大問3:空欄補充の対策」で紹介したものを活用すればOKです。
大問6:課題英作文の対策
2つの英作文のうちの1つは、目的を達成するための英文を組み立てる「課題英作文」の要素を持つ出題になっています。ここでは主に指示されたことを書くための表現力と、伝えるべき内容を見極める判断力が要求されます。
なお近年の英作文のテーマは、以下のとおり。
- 2023年度:レストランの予約メール
- 2024年度:列車の乗換案内
解答欄に英文を書く前に、箇条書きで構わないので、日本語で書きたい内容をメモしてください。メモがあれば、簡単な表現での英訳や内容の客観的なチェックが楽になります。
過去問を解いて傾向を理解することが基本的な対策になりますが、それだけでは演習不足です。類似の問題など多様な自由英作文を経験することで、あらゆる出題への対応力を高めましょう。英作文対策におすすめの参考書は、以下のとおりです。
- 『大学入試 英作文ハイパートレーニング 和文英訳編(桐原)』
- 『大学入試 英作文ハイパートレーニング 自由英作文編(桐原)』
『和文英訳編』は基本的な英作文から対策したい人向けで、続編の『自由英作文編』はさまざまなパターンの自由英作文を練習したい人向けです。対策は、自分のレベルに適しているほうからスタートしましょう。
大問7:自由英作文の対策
最後の自由英作文は、早稲田の法学部英語ならではの問題です。よって過去問を使った練習が不可欠となります。
グラフやイラスト・写真といった視覚情報から読み取った情景を表現する練習や、読みとった情報を分析して自分の意見を述べる練習を行い、解答に必要なスキルを磨きましょう。また書いた英作文は必ず添削してもらい、解答の精度を高める機会を持ってください。
類似問題を解いて経験値を高めたい方は、東大や一橋大の自由英作文を解きましょう。さらに練習したい方は『大学入試 最難関大への英作文ハイパートレーニング(桐原)』もおすすめ。ハイレベルですが、類似形式の問題もあって、法学部の英作文対策にはうってつけです。
出題傾向を押さえて「速く正確に」解く対策をしよう
早稲田大学法学部の英語は、時間に対する問題のボリュームが多く、設問の平均的な難易度も高くなっています。したがって時間内に試験問題を攻略するには、解答の「速さ」と「正確さ」が必要です。
さらにイラストをもとにした英作文をはじめ、早稲田の法学部独自の出題形式をとる問題も多くあります。これらの問題にしっかりと対応するためにも、出題傾向をよく押さえて、ポイントを絞った対策を行いましょう。
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