「to不定詞は名詞・形容詞・副詞として使われもう動詞ではない」と伝えてきましたが、腐っても動詞。訳を考えれば、必ず誰が誰にそれをするのかという「意味上の主語(S')述語(V') 目的語(O')」といった関係が残っています。to不定詞を含んだ文で少し難しいなと感じる英文は、この考え方ですっきり見えてきますよ。
次の文を和訳しなさい。
ex. | I can't expect her to help you with your work. expect「期待する(Vt)」 help 人 with ことがら「~さんの・・を手伝う」 |
普通にスラッシュを入れていくとこうなります。
ex. | I can't expect her / to help you with your work. 私は彼女に期待できない / ~ |
スラッシュのto以下はどうなっているのでしょうか。動詞もどきになったhelpも元々は他動詞(Vt)なので、誰が誰をhelpするのか、その意味上の主語(S')と目的語(O')があるはずです。今まではメインの主語・述語・目的語の関係だけを考えてきました。
S | Vt | O |
I | can't expect | her to help you~. |
でもこれからは意味の上での主語・述語・目的語の関係も考えてみましょう。
I can't expect | her | to help | you ~. |
S' | Vt' | O' |
↓
I can't expect her / she help you with your work.
私は彼女に期待できない / 彼女がきみの仕事を手伝う
彼女が君の仕事を手伝うことは期待できない
準動詞の意味上の関係 準動詞(不定詞・動名詞・分詞)は、動詞もどきになっても、 元々の主語・述語・目的語などの関係は残っています。 |