英検二級ライティングのコツ5選|英作文のテンプレートや使える表現も徹底解説!

「英検二級のライティングは、どう対策するべき?」

「新傾向の要約って、どんな問題?難しい?」

「ライティング問題を攻略のコツはある?」

 

こんな疑問にお答えします!

 

「英検二級のライティング」は、解答に使える表現やテンプレートを利用することで高得点を狙うことが可能です。問題を分析してわかった解答のコツや勉強法、そして知っておきたい見直しのポイントまで徹底解説いたしますので、どうぞ最後までお読みください。

 

本記事は、英検一級を取得した佐藤塾長をはじめとする、英検準一級、英検一級レベルの講師が在籍する目黒の英語塾ENGLISH-Xが監修しました。

 

※約7分で読めます

英検二級のライティング問題の傾向

英検二級の問題は、2024年度の第1回からリニューアルされました。

 

従来は意見論述型の英作文が1つだけ出題される形式でしたが、追加で英語の要約問題が出題されています。以下で、さらに詳しくライティング問題の傾向をチェックしていきましょう。

要約問題(大問4

大問4の要約問題は、2024年度から始まった新傾向の目玉となる問題です。150語ほどの英文を読み、その内容を4555語にまとめることが求められます。

 

具体的な問題(指示と英文)と解答例は、以下のとおり。

 

【問題】

 

  • 以下の英文を読んで、その内容を英語で要約し、解答欄に記入しなさい。
  • 語数の目安は45語〜55語です。
  • 解答は、解答用紙のB面にある英文要約解答欄に書きなさい。 なお、解答欄の外に書かれたものは採点されません。
  • 「解答が英文の要約になっていないと判断された場合は、0点と採点されることが あります。英文をよく読んでから答えてください。

 

When people look for a job, some choose a workplace that is close to where

they live, while others move to a new town or city in Japan. There are other

choices, too. Some of them decide to go to other countries to work.

 

What are the reasons for this? They can have experiences that they cannot

have in their own countries while working abroad. Also, they can learn a local

language by using it not only at work but also at other times. This can help their

future career as well.

 

On the other hand, people have to face issues with differences in customs at

work. It can take a long time to get used to the new work environment if things

are very different from their own countries. Also, people cannot easily visit their

family and friends back home. This can cause them to feel lonely.

 

【解答例】

 

Some people choose to go to other countries to work. While working abroad, they can have new experiences and learn a local language that is helpful for their future. However, they have to face issues with differences in customs at work and feel lonely for not being able to visit their family and friends easily.

 

出典:英検公式サイト『2級の過去問・試験内容 2024年度第3回』より

 

上記の英文を、3分の1ほどの長さで要約する必要があります。この問題の攻略には、各段落のトピックを的確に読み取る読解力と、英語でまとめる表現力が必要です。

意見論述(大問5

新傾向になってからも大問5の意見論述は、従来どおりの問題です。あるトピックについての意見と、その立場を示す理由を2つ記載することが求められます。なお語数の目安は、80100です。

 

具体的な問題(指示と英文)と解答例は、以下のとおり。

 

【問題】

 

  • 以下のTOPICについて、あなたの意見とその理由を2つ書きなさい。
  • POINTSは理由を書く際の参考となる観点を示したものです。 ただし、これら以外の観点から理由を書いてもかまいません。
  • 語数の目安は80語〜100語です。
  • 解答は、解答用紙のB面にある英作文解答欄に書きなさい。 なお、解答欄の外に書かれたものは採点されません。
  • 解答がTOPICに示された問いの答えになっていない場合や、TOPICからずれていると判断された場合は、0点と採点されることがあります。TOPICの内容をよく読んでから答えてください。

 

Some people choose to work for companies that create environmentally friendly products and services. Do you think the number of such people will increase in the future?

 

POINTS

 

  • Careers
  • Demand
  • Motivation

 

【解答例】

 

I think so. First, people who work in these companies can expect to earn a steady income. Demand for environmentally friendly products is growing, and some companies are performing well. Second, people can take pride in their work. This is because working for a company that provides environmentally friendly products and services gives people the feeling that they can contribute to society. Therefore, I think the number of people who choose to work for companies that create environmentally friendly products and services will increase in the future.

 

出典:英検公式サイト『2級の過去問・試験内容 2024年度第3回』より

 

この問題は「環境に優しい製品やサービスを生み出す企業で働くことを選択する人もいますが、今後そのような人の数は増えると思いますか?」という問いかけに答える問題になっています。

 

この問いに、いきなり英語で解答するには、かなり力がいります。いったん日本語で考えたものを、英作文していくほうが得策でしょう。英語で意見を表現する力は当然ながら試されますが、自分の意見をスピーディーかつ論理的にまとめる思考力や判断力がより重要となります。

英検二級のライティング対策【大問4:要約のコツ2選】

ここからは、大問4の要約対策について解説します。解答のコツは、以下の2つです。

 

  1. 段落の内容を1文で表す
  2. ディスコースマーカーを使う

 

解答作りをスムーズにするうえで、ぜひ知っておきたいコツなので、しっかりチェックしていきましょう。

1.段落の内容を1文で表す

要約は、1段落の内容を1文にまとめる意識で取り組めばOKです。英文は「1パラグラフ1トピック(1段落あたりの主張・話題は1つ)」という原則で書かれるため、3段落構成の英文であれば、3つの英文に内容をまとめることでスムーズに解答がつくれます。

 

単に各段落の内容を短く書き直すのではなく、筆者が各段落で最も伝えたいことを代弁することが重要です。各段落にあるトピックセンテンス(主張を述べるのに欠かせない文)があるはずなので、その英文を見つけて上手に利用しましょう。

 

その際、本文をそのまま使うと語数が増えてしまいます。したがって、主張の内容が変わらない程度に細かな説明を削り、簡単な表現にパラフレーズする(書き換える)ことが重要です。

2.ディスコースマーカーを使う

各段落の要約をつなぎ合わせ、英文全体を論理的にまとめるために、ディスコースマーカーを使いましょう。ディスコースマーカーとは段落や文章の「つなぎ言葉」のことで、文のなかに用いて、読み手に論理展開をわかりやすく伝える効果が期待できるものです。

 

代表的なディスコースマーカーは、以下のとおり。

 

  • 逆接(〜だが・〜けれども):buthoweveralthoughyet
  • 対比(〜の一方で):whileon the other hand
  • 順接・結論(よって・その結果):thereforeas a result
  • 添加(さらに):in additionadditionallyfurthermore
  • 例示(たとえば):for examplefor instance
  • 言い換え(要するに・つまり)in shortin other wordsnamely

 

本文の論理展開に沿うディスコースマーカーを用いて、要約を流れのある英文にしていきましょう。本文と同じ表現を用いるのではなく、短い語句や別の表現にパラフレーズすることで、より質の高い解答が作れます。

 

例)本文:on the other hand

→ 要約:while(もしくは逆説を用いる)など

英検二級のライティング対策【大問5:意見論述のコツ3選】

ここでは、大問5の意見論述型の英作文について解説します。解答作成のコツは、以下の3つです。

 

  1. テンプレートを使う
  2. 簡単な表現で書く
  3. POINTSをうまく使う

 

上記のコツを意識・実績しない場合、解答作りの効率が圧倒的に悪くなります。しっかりチェックして、ぜひ自分のものにしましょう。

1.テンプレートを使う

大問5の意見論述をスムーズに書くためには、英作文のテンプレートと頻繁に使えるフレーズを事前に準備しておきましょう。

 

あらかじめ英作文のテンプレートを準備しておけば、問題の指示に合う論理展開を考える時間が減り、解答時間の節約になります。また同じ型で書く練習を積むことで、コンスタントに語数を確認せずに、目安に沿った語数で書けている感覚がつかめて安心です。

 

【大問5(意見論述)のテンプレート】

 

  1. 序論
  2. 本論(理由1つ目)
  3. 本論(理由2つ目
  4. 結論

 

上記のテンプレートとあわせて以下のフレーズを覚えておくと、使える表現の引き出しが増え、伝えたいことを的確かつスムーズに書きやすくなります。

 

I think that〜

書き出しでトピックに対する自分の意見(YesNoか)を伝えられる

First of all〜

1つ目の理由を述べるのに使える

論理的な構成の英文を書くのに役立つ

Another reason is that〜

2つ目の理由を述べるのに使える

論理的な構成の英文を書くのに役立つ

For example〜

理由の説明が具体的になり内容に厚みが出る

単調な文章になることを避けられる

文字数が稼げる

Therefore〜

結論を述べるのに使える

あらためて立場を明確にし、意見の一貫性を強調できる

 

上記以外にも、英作文を書く際に有効なフレーズはあります。引き出しを増やすためには、解答例を研究しつつ、積極的に添削を受けて指摘してもらうことを推奨します。

2.簡単な表現で書く

英作文は、できるだけ自信のある表現で書きましょう。なぜなら簡単な表現で書いても解答に問題はありませんし、なによりミスがあれば減点になるからです。単語や熟語のスペルに自信がないなら、その表現を避けて別の語句で書くべきでしょう。

 

英作文に、意見の素晴らしさを評価する採点基準はありません。内容が明らかに正しくなければ減点になるでしょうが、求められる内容を含み、全体として話の筋が通っていれば採点基準をクリアできます。

 

いきなり英作文で書くとミスが起きやすいので、日本語で盛り込む内容をメモするのがおすすめ。日本語で書いたメモを見ながら、できるだけ簡単な英語で書いていけば、必要な要素を含んだ英文が書きやすくなります。

3.POINTSをうまく使う

大問5の英作文をスムーズに書くために、問題用紙に記載の「POINTS」をうまく利用しましょう。POINTS」を参考にして英作文を書き進めれば、おのずと書くべきトピックが押さえられるからです。

 

POINTS」とは、問題の指示の後に与えられた文(英作文のトピックを含むもの)の下に記載されている語句のことです。たとえば「2024年第3回」の問題には、以下の3つが記載されています。

 

  • Careers
  • Demand
  • Motivation

 

上記の語句を参考にすれば「働き方や需要・動機に言及するのがよい」という方向性がわかります。書き出しの参考にしたり意見を支持する理由のアイディアにしたり、英作文を書くヒントにしましょう。また「POINTS」を使えば、語数不足も発生しにくくなるでしょう。

 

独自の観点で意見を書いても、採点上は問題ありません。しかし、スムーズに英作文を書くことに焦点をあてれば「POINTS」を活かすほうが効率的です。戦略として「書きたいこと」ではなく「書けること」を優先するのは、英作文を書きあげるために有効な手段といえます。

英検二級のライティング対策【見直しポイント3選】

ライティング問題を解き終えたら、試験終了までの間に必ず見直しを行ってください。チェックポイントは、以下の3つです。

 

  1. 文章構成
  2. スペル
  3. 文法・語法

1.文章構成

大問4の解答は、まず全文を通しで読みましょう。本文の流れに違和感がないかを、ざっとチェックしてください。その後、以下の2点をさらに注意深く見ていきましょう。

 

  • 各段落の内容が含まれているか
  • 本文と同じ論理展開になっているか

 

各段落の内容がきちんと確認できれば、おおむね問題はないはずです。また同時に、つなぎ言葉(ディスコースマーカー)によって、本文と同じ論理展開をわかりやすく再現できているかもチェックしましょう。

 

大問5は、解答にあなたの意見と理由が2つ用意されているかをチェックしましょう。紹介したテンプレートに沿って書いていれば、問題ありません。理由の説明は具体的なほうがよいとされるので、説明が十分であるかも再検討してみてください。

2.スペルミス

当たり前ですが、スペルミスは極力ゼロを目指しましょう。スペルミスによる無駄な減点は、誰もが避けたいはずです。

 

スペルミスを防ぐためには、そもそも難しい単語の使用は避けたいところです。できるだけ簡単な単語や書き慣れたフレーズを使って、普段から堅実な英作文を書くことを心がけましょう。

3.文法・語法のミス

英作文の見直しのときに気をつけて見たいのは、時制と三単現の表現の正確性です。特に三単現の表現は、ノンネイティブにとって馴染みのない概念なので書き損じる人が多くいます。動詞が正しい形になっているかを必ずチェックしてください。

 

また名詞の表現にも、注意が必要です。特に冠詞や複数形のsは忘れがちなので、必ずチェックしておきましょう。

英検二級のライティング問題を攻略するための勉強法

ライティング問題を攻略するためには、過去問演習を徹底することがベスト。ディスコースマーカー(つなぎ言葉)や意見を表現するための構文の使い方を覚えたり、意見論述型のテンプレートに合わせて英作文を書いたりなど、とにかく書き慣れることが高得点に直結します。

 

英検二級を受験する人は、リーディング対策を通じて、要約や英作文に必要な知識(語彙力・分方力)は十分に養えているはずです。英検の受験経験がなくても、高校入試や定期テストで英作文に触れてきているので、いきなり過去問に取り組んでも問題ありません。

 

以下の参考書・問題集を用いて学習を進めるのがおすすめです。

 

  • 英検2級過去6回全問題集(旺文社)
  • 英検分野別ターゲット英検2級ライティング問題(旺文社)
  • 7日間完成 英検2級 予想問題ドリル(旺文社)

 

本番と同じ制限時間でリーディングと一緒に解くのが理想ですが、ライティングのみに絞った練習をするのも有効でしょう。その際の制限時間の目安は、30分です。大問4と大問5の問題の質は異なるので、苦手な問題から優先して取り組みましょう。

 

ただ要約は、歴史が浅く演習問題が不足しがちどうしても演習量を増やしたい人は、インターネットと生成AIを利用するのも手段の1です。

 

インターネットで見つけた150語前後の英語の記事を、まずは自分で要約しましょう。その後、生成AIにも要約させて解答を比較すると、いろいろと発見があるはずです。少し手間はかかりますが、よい練習になるでしょう。

英検二級のライティングに関するQA3

最後に、英検二級のライティングに対する疑問を解決していきます。よくある質問を3つ選んでいるので、受験を検討している方はぜひチェックしてください。

Q1.英検二級のライティングは難しい?

英検二級のライティングの難易度は、決して高くありません。練習を通じて経験を積めば、次第に難しいとは感じなくなるでしょう。

 

英作文はパッと見た感じでは、語数が多くて難しそうです。しかしテンプレートに沿って書けば、解答のポイントを押さえられて自然に語数も増えます。

 

要約や意見論述のトピック自体も、それほど難しくないので、取り組みやすくなっています。「レストランの食材ロス」や「ペットOKのアパート」など、ニュースなどで一度は見聞きしたことのあるような話題が中心です。

 

ただし無策で挑戦すれば、思うようにスコアは伸びないでしょう。制限時間内に解く感覚やミスに対する注意力は、経験を積むことで養われます。一定の対策を行って、スコアを安定させられるよう努めましょう。

 

英検二級の難易度については、以下の記事でも詳しく解説しています。気になった方は、ぜひチェックしてみてください。

Q2.英検二級のライティングの採点基準は?

英検二級のライティングの採点は、合計16点満点(各観点は4点満点)で、この点数がCSEスコアに変換されます。合格基準のスコア(CSEスコア1950点中の1520点)を考慮すると、8割くらいの得点を獲得する必要があるでしょう。なお採点基準の詳細は、以下のとおり。

 

  • 内容:4点満点(問題の指示に対応しているか)
  • 構成:4点満点(構成が正しく、論理的か)
  • 語彙:4点満点(適切に語句が用いられているか)
  • 文法:4点満点(文法・語法は適切であるか)

 

ライティング問題の採点は基本的に減点方式なので、指示通りに・ミスなく書くことが高得点のカギです。ただし、表現のバリエーションにも留意しましょう。ミスを減らすことは大事ですが、同じ表現の連続や本文の表現の使い回しが多いと評価が下がります。

Q3.英検二級のライティング対策の注意点は?

英検二級のライティング問題は、必ず添削してもらいましょう。英作文は自らの解答を模範解答と見比べても意味がありませんし、客観的に採点するのは難しくなっています。ミスや別の言い回しができる点を人に指摘してもらったほうが、確実にレベルアップできるでしょう。

 

またライティング問題は、問題数の割に配点が大きくなっています。英検二級の一次試験を突破するためには、他技能(リーディング・リスニング)と同様に一定以上のスコア獲得が必要なので、取り組みやすい長文対策よりも優先的に対策するべきでしょう。

 

英検二級に合格するための勉強法や、各技能・各試験の対策やコツは以下の記事でも解説しています。受験を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

 

英検二級のライティング対策は「経験値」を意識しよう!

一見難しそうに見える英検二級のライティング問題ですが、使える表現を増やしたりテンプレートに沿って英文を書き慣れることで高得点の獲得が可能です。過去問演習をメインに、経験値を積み上げて解答の質を高めていきましょう。

 

目黒の英語塾ENGLISH-Xは、英検対策も承っています。英検二級のライティング対策に欠かせない「添削」が気軽にいつでも受けられるので、効率よく実力を高めることが可能です。

 

英検対策に不安を感じている方は、お気軽にご相談ください。リーディングやリスニング・スピーキングの対策も、経験豊富な講師陣がしっかりサポートいたします。気になった方は、ぜひ無料体験授業にお越しください!

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