「英検1級リスニングの各パートは、どうやって対策する?」
「英検1級のリスニングを解くときに注意することってある?」
「どんな教材やツールを英検1級のリスニング対策に使えばいい?」
これから英検1級の取得を目指す方の、こんな疑問に答えます!
この記事は、英検1級を保有する塾長佐藤が率いる「英語専門塾ENGLISH-X」が監修して制作しました。英検1級のリスニングで合格ライン突破を目指すあなたに、解き方のテクニックや勉強法など、役に立つ情報をお伝えします。ぜひ最後までお読みください。
※この記事は、8分ほどで読めます。
英検1級リスニング対策をパート別に徹底解説!
英検1級のリスニングは、筆記試験(100分)の後に行われ、時間は35分あります。解答はすべて、4つの選択肢から1つを選ぶ形式です。出題の概要や問題数は、以下を参考にしてください。
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出題の概要 |
問題数 |
Part1 |
短い会話の内容一致 |
10問 |
Part2 |
聞いた文章の情報に関する内容一致 |
10問 |
Part3 |
Real-Life(実生活)のワンシーンの内容一致 |
5問 |
Part4 |
インタビューの内容一致 |
2問 |
英検1級のリスニングは、全部で4部構成です。本記事では各パートごとの対策を解説するので、以下でチェックしましょう。
【英検1級リスニングのPart 1】会話問題の対策
「Part1」は、4つのパートの中で最もやさしい問題です。ただしリスニング問題の出だしなので、ペースをうまく掴んで正解を積み重る練習しましょう。
Part1の出題内容と傾向
Part1は、短い会話内容の質問に答える問題。流れる放送の特徴は、以下のとおりです。
- 基本的に男女2名の会話である
- 10問中1つは3名の会話になる
- 9〜10問目に長い会話が流れる
友人や家族、同僚やお客さんとの間で繰り広げられる会話を聞き取る問題です。日常的な内容から社会性の高い内容まで、幅広い話題が取り扱われます。
Part1で使えるテクニック
「Part1」攻略のカギとなるのが、選択肢の先読みです。なぜなら選択肢を先読みすることで、どんなシチュエーションの会話なのか、何が解答のポイントになり得るのかを推測できるからです。
まったく予想もしない内容より、事前に心構えができている内容のほうが、聞き取りやすいですよね。選択肢を先読みしながら、解答の決め手になりそうな部分にアンダーラインを引いたりメモをしたりしましょう。
筆記試験を早く解き終えて、10〜15分くらいリスニングの準備に充てられるのが理想です。また「Part1」では、解答のリズムをつかむことが大事です。放送が始まったら、メモを取るより聞くことに集中するのがよいでしょう。
【英検1級リスニングのPart 2】説明文問題の対策
4つのパートのうち「Part2」は、最も苦手とする人が多いパートです。難易度の高い問題なので、わかるところを確実に正解に結びつける姿勢が大事です。
Part2の出題内容と傾向
「Part2」は、200単語ほどの文章が1分30秒ほどで放送される問題です。文章は5種類あり、それぞれ2つの質問に答えます。また、解答時間が10秒ずつ用意されています。
放送される内容には、医療・健康・科学・社会・テクノロジー・歴史など多様なジャンルが取り上げられます。専門用語を含むアカデミックな内容の長文なので、難しく感じる人も多いでしょう。
Part2で使えるテクニック
「Part2」においても、選択肢の先読みは有効です。「Part1」と同じ理由で、内容の推測につながります。また、このパートでは展開を意識してリスニングすることが大事です。
放送される文章には2つの展開があり、各展開ごとに1つの問いが設定されます。展開の変わり目を意識することで「今どの問いに関する話をしているか」を把握できるので、先読みした選択肢と放送の内容を照合しやすくなるでしょう。
ただし「Part2」は、放送と解答の流れが速く感じます。テンポに遅れると、解ける問題までポロポロと落とすリスクも…。答えの選択に迷うときは思い切ってマークし、次の設問を意識することも大事です。また逆に、答えが早くわかった場合も、次に備えましょう。
放送が長く、専門用語もたくさん出てきますが、内容の理解に集中してください。要点をまとめる程度の軽いメモを取るのもいいでしょう。多くは答えと関係のない情報なので、先読みしたことを活かしてポイントを聞き分けることが重要です。
【英検1級リスニングPart3】Real-Life形式問題の対策
「Part3」は、英検1級のリスニングの中では比較的やさしい問題です。最も得点源しやすいパートなので、着実に解き進めましょう。
Part3の出題内容と傾向
「Part3」では、Real-Life(日常生活)に関するリスニングです。Real-Life形式と称されるように、多くの人が日常生活で体験するであろう案内放送や電話の音声などが放送されます。使われる単語や表現だけでなく、話のスピードもかなりリアルに近いものです。
問題用紙には「Situation(シチュエーション)」と設問「Question(クエスチョン)」に加えて、解答の選択肢が記載されています。各問題の放送前に10秒間与えられるので、それらを確認できる時間があるのが特徴です。
Part3で使えるテクニック
Part1や2は、筆記試験の時間を使って選択肢の先読みを推奨していますが、Part3においては事前の先読みはなしでOKです。なぜなら、放送前に先読みの時間がもらえるからです。
問いも選択肢も記載されていて事前に確認もできるので、放送に集中して注目すべきポイントを聞き逃さないようにしましょう。「Part3」は集中力が試される問題だと思ってください。
【英検1級リスニングPart4】インタビュー問題の対策
「Part4」は1次試験の最後で、疲れてくるころに長い放送を聞く必要がある問題です。集中してリスニングすることを意識しましょう。
Part4の出題内容と傾向
「Part4」は、インタビューのリスニングです。冒頭の音声はインタビューの説明になっていて、誰のインタビューか、どんな人物なのかを簡潔に伝えてくれます。問題の特徴は、以下のとおりです。
- 読まれる文章量が膨大である
- 時間は3分半くらい
- スピードも早い
- 問題数は2問
- 話題はビジネスや環境が多い
放送はリスニング問題の中で最も長く、スピードも速くなっています。1回で必要な情報を聞き取るには、なかなか根気のいる問題です。
Part4で使えるテクニック
「Part4」は、選択肢の先読みが必須の問題です。放送が長く解答に関係のない部分も多いので、事前に選択肢を見て解答に関係のありそうな内容を検知できる準備をすることが非常に重要です。
特に注意してリスニングすべき内容は、インタビュアーの質問に対する答えです。ここをしっかり聞き取って理解できるかが、正解に近づくカギになります。
要点をまとめる程度にメモを取ってもいいですし、記憶が得意な方は聞くことに集中しておくのもいいでしょう。どちらが正解につなげやすいかは、人によって変わるので練習で試してください。
英検1級のリスニングで高得点を目指す練習法3つ
ここでは、リスニングで高得点を目指すために必要な練習方法を3つにまとめてお伝えします。
1.過去問とやり直しを徹底する
オーソドックスな勉強法ですが、過去問とそのやり直しが最も効果的な練習です。 練習の中で、7割超えを目指すことを目標にしましょう。
直近3回の最新の過去問は、公式ホームページからダウンロードできます。しかし、それだけでは数をこなせないので、問題集も活用しながらリスニングの経験値を高めましょう。
【おすすめの教材】
- 最短合格! 英検1級 リスニング問題 完全制覇 (ジャパンタイムズ)
- 英検分野別ターゲット英検1級リスニング問題 改訂版 (旺文社)
また、やり直しの仕方はとても重要なのでこだわりましょう。解いてみて完全に正解できた問題(しっかり聞き取れて理解もできた問題)以外は、すべて復習すべきです。
復習の際は必ずスクリプト(放送原稿)を使って聞き直し、わからなかった単語の発音や意味までチェックしてください。復習は、以下の流れで進めましょう。
- 聞く
- 音読
- シャドーイング(できれば)
復習の最終的な目標は、放送原稿を見ずに聞いて、内容を完全に理解できるレベルに達することです。そのレベルまで到達できれば、リスニング力がかなり向上できます。
2.適した解き方を身につける
自分に適した解き方を身につけることも、リスニングを高得点につなげる大事な要素です。解き方の手順が固まれば、つぎつぎに流れる放送のテンポに対応しながら解答が行えます。以下で、解き方の基準になる2つのポイントを見ていきましょう。
先読みを定着させる
リスニングをスムーズに解くためには、選択肢の先読みを定着させましょう。先読みができれば、リスニングを有利に進められます。各パートで事前にチェックしたいのは、次のポイントです。
パート |
チェックポイント |
Part1 |
・想定されるトピック |
Part3 |
・日時や数字 |
Part4 |
・選択肢のなかの言葉 |
先読みを実現するためには、筆記試験を早く解き終える必要があります。スムーズに解けば10〜15分は時間が余るはずなので、筆記試験の過去問演習を徹底してペースをつかみましょう。
もし時間がうまく確保できなかった場合は、ディレクションの時間(各パートや設問の解説の時間)も使って先読みをしましょう。過去問演習で問題内容は把握できているはずなので、この時間も選択肢の先読みに充ててください。
メモのタイミングや量を決める
長めの音声が放送される問題では、メモをとるほうが解答しやすくなる場合もあります。放送内容のすべてを正確に記憶することは、難しいからです。
しかし、メモを取ることにはデメリットもあります。なぜならメモを取ることに気を取られすぎると、タイミングを逸して大事な部分を聞き流す可能性があるためです。人によってはメモを取らずに、聞き取りに集中した方が問題が解きやすい場合もあります。
過去問演習を行う中で「どの問題」で「どのくらい」メモを取るのか、方向性を固めておくようにしましょう。自分にあった解き方を見つけることが、攻略のカギといえるでしょう。
3.本質的なリスニング力を高める
本記事では各パートを効率よく解くためのテクニックを紹介しています。しかし英検1級のリスニングともなれば、小手先の技術だけで解くことは不可能です。そのため、本質的なリスニング力アップに努めてください。
リスニング力を根本から高めるためには、日々のなかで地道に英語に触れる機会を増やすことが重要です。英検1級のリスニング問題が実生活に近いレベルの英語であることを活かして、さまざまな手段を活用してリスニング力の強化を図りましょう。
話者1人の動画は、Part2対策に最適。視聴するなら、以下の動画コンテンツがおすすめです。
- TED talks:多様なテーマのプレゼン動画
- Scientific American :科学系トピックの動画
- VOA:非ネイティブ向けのニュース動画
またインタビュー形式の番組などで、会話形式の英語に慣れておきたいなら、以下のような動画もおすすめです。主にPart4の対策になります。
- How I Built This:起業家へのインタビュー
- Jimmy Kimmel Live:エンタメ系トークショー
YouTubeは字幕も表示できるので、単語の確認もしやすくなっています。ニュース番組を日常的に見ることで、社会性の高い内容にも耳を慣らすことが可能です。
- CNN(アメリカ)
- ABC News(アメリカ)
- BBC(イギリス)
- Sky News(イギリス)
普段見ているテレビもリスニング対策に利用可能。副音声を利用すれば、時事ネタも英語で確認できます。
- NHKニュース7
- NHKニュースウオッチ9
英検1級のリスニングは難しい!対策をしてコツを掴もう!
英検1級のリスニング攻略は、決して簡単ではありません。根本的なリスニング力に加えて、長い放送に耐える集中力も必要です。本記事で紹介したテクニックを試しながら、少しでも要領よく解くための対策を行いましょう。
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