英検一級の難易度解説|レベルはどの位?試験概要についても解説

英検一級は、国内に数ある英語試験のなかでも、最も難しい試験のひとつといわれています。

「英検準一級に受かった人でも一筋縄ではいかない」といわれる英検一級の試験レベルや合格率がどれくらいなのか、試験内容やTOEICやTOEFLなど他の試験との違いなどを交えて詳しく解説します。

まずは英検一級のレベルや出題レベルを知っておくことが、合格へ近づく第一歩です。

本記事は、目黒の英語専門塾ENGLISH-Xが、英検一級合格を目指す皆さんのために制作しました。英検一級のレベルだけでなく、役に立つ情報もお伝えするので、ぜひ最後までお読みください。

英検一級はどの位凄い?

英検一級のレベルは、大学上級レベルといわれています。英検一級に合格する人は、旧帝大や難関私立大学レベルで英語を使いこなせるといえます。

大学の英語入試で点数加算や試験の免除があったり、留学や就職に有利に働いたりと活用できる場が増えるため、幅広い英語に関する知識のみではなく、即興で相手に自分の考えを伝える発信力・対応力があると、客観的に示せるでしょう。

外国語の運用能力・熟達度を同一の基準で評価するグローバルスタンダードな指標CEFRに当てはめると、英検一級は、上から2番目に高いC1レベルに換算されます。C1レベルは、熟練した言語使用者と表現され、能力レベル別に「何ができるか」を示した熟達度一覧では、以下のように書かれています。

”いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。

言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。

社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。

複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の詳細な文章を作ることができる。”

引用:CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠) | ブリティッシュ・カウンシル

また、英検一級を持っていると以下の試験が免除になります。

・通訳案内士試験における英語テスト免除

・教員採用試験の実技・二次選考が免除(都道府県により異なる)

英検一級の難易度解説

英検一級に合格するために必要な単語数やTOEICの点数、合格率について解説します。

英検一級に必要な単語数

英検一級の出題範囲となる単語数は10,00015,000です。新聞やテレビで見聞きするような日常的な単語以外に、アカデミックな単語や専門性の高い単語、特定のビジネスシーンで使われるような限定的な単語、雑誌や洋書でしか見かけないようなマニアックな単語も多く出題されています。

英検一級に必要なTOEIC点数

英検一級に合格できるレベルにあるとされる、TOEICでの点数は900点以上です。

外国語の運用能力・熟達度を同一の基準で評価するグローバルスタンダードな指標CEFRに当てはめると、英検一級は、上から2番目に高いC1レベルに換算されます。C1レベルは、TOEICでは900〜950点換算です。

英検とTOEICはそれぞれ、目的や出題傾向などが異なります。TOEIC900点以上取れているからといって英検一級に合格できるとは限りません。

英検一級の合格点

英検では、CSEスコアを用います。一次試験では、それぞれ850点満点のリーディング、リスニング、ライティングの合計スコアが2028点以上、二次試験の面接では850点満点のスピーキングのスコアが602点以上で合格となります。

H3英検一級の合格率

英検協会では、英検一級の合格率は公表していませんが、合格率は10%前後といわれています。

英検一級のレベルを比較

英検一級は、英検準一級と格段の差があるといわれています。英検一級のレベルを英検準一級、TOEIC、TOEFL、GTECと比較してみましょう。

英検一級と準一級のレベルの差

英検準一級では、8,000語程度の単語を覚える必要がありますが、英検一級では、10,000語〜15,000語の単語を理解しておく必要があります。

一般的な知識が身についているかが重視される英検準一級の試験では、一般的な単語や身近な単語も多く出題されます。一方で、英検一級では日常生活ではネイティブの人でもあまりお目にかからない、いわゆるマニアックな単語が頻出します。

英検一級では、聞き慣れない単語が多く、一般的な単語帳では対応しきれない、さまざまな角度から現地の英語、言葉の使用方法への理解が求められます。

TOEIC・GTEC・TOEFLとの比較

TOEIC、GTEC、TOEFL、英検一級いずれも、試験で「読む」「聞く」「書く」「話す」の4技能を測定しますが、それぞれ試験の目的が異なります。

英検が日常会話から、教養や社会に至るまで、幅広い状況で対応できる英語力を測る試験であるのに対して、TOEICはオフィスや日常生活での実践的な英語がどれくらい身についているかに注力した試験です。

GTECは英語のコミュニケーション能力に重きを置いています。さまざまな場面や状況で英語のコミュニケーションをどれくらいとれるか、習熟度を測ります。TOEFLは教育機関で必要となる英語力を試す目的があります。英語を目的としない人が英語圏の大学で学ぶための英語力を測ります。

英検一級の一次試験内容

英検一級は、一次試験、二次試験の順に実施されます。

一次試験ではどのような内容が出題されるか、試験内容について解説します。

短文の語句空所補充

英検一級では、短文の語句空所補充が25問出題されます。短い英文を読み( )に当てはまる適切な語句を、4択の中から選ぶ形式です。

長文の語句空所補助

長文の語句空所補充問題は、6問出題されます。短文の語句空所補充問題と同じく、長文を読み( )に入る適切な語句を4択の中から選びます。1つの長文で出題される問題は3問です。

長文の内容一致選択

長文の内容一致選択問題は、10問出題されます。長文内容一致選択問題は、長文を読んで、問題文から解答を選ぶ形式です。答えが問題や長文に書いているわけではないので、長文をしっかりと理解する力が求められます。

英作文

英検一級の英作文は、一次試験・筆記の大問4で出題されます。10語程度の英文で書かれた題目に対して、自分の意見とその理由を200〜240語程度にまとめます。英作文は、自分の主張を支える理由を3つ挙げたうえで、序論、本論、結論の流れになっている必要があります。

英検一級の英作文は、決まった形式に沿って書かれていなくてはなりません。自分の英作文を添削してもらい、模範的な回答をめざしましょう。

ENGLISH-Xでは、その場即時・LINEで英作文の添削が可能です。英作文は作成するだけで終わらせず、添削してもらえば英検一級のレベルの表現や文法の理解につながるので、添削をぜひ活用しましょう。

会話の内容一致選択

英検一級のリスニング問題は、4つの大問で出題されます。大問1では、男女の会話が出題されます。2人の会話を聞いた後に質問が読まれるので、選択肢の中から正しいものを選ぶ形式です。設問は10問ありますが、会話は1回しか流れません。

文の内容一致選択

リスニング問題の大問2では、科学や環境問題、社会問題などをテーマにした200語程度の長文が読まれます。その後、大問1と同じく質問が読まれるので、選択肢から正しいものを選びます。設問は全部で2問です。

Real-Life形式の内容一致選択

大問3では、ラジオや、留守番電話など日常で耳にするようなナレーションが150語程度で音声が流れます。その後、内容に関する質問をされるので、内容が一致しているものを選択肢から選びます。設問は全部で5問です。

インタビューの内容一致選択

大問4では、約3分半の長いインタビューの音声が流れます。その後、内容に関する質問が流れるので、内容が一致しているものを選択肢から選びます。設問は全部で2です。

英検1級の二次試験

英検一級では、一次試験に合格したのち、二次試験が実施されます。二次試験は、面接委員2名との個人面接で行われます。

落ち着いて面接をすすめるためには、事前の練習や、流れの把握が重要です。以下で述べる二次試験の流れを把握しつつ、模擬面接やバーチャルテストで面接の雰囲気に慣れておきましょう。ENGLISH-Xでは、二次試験の模擬試験を行っています。「面接の雰囲気に慣れておきたい」「事前に経験を積んでおきたい」人は、ENGLISH-Xの模擬試験をご活用ください。

自由会話

指示に従い、入室、着席したら自分の氏名の確認をし、簡単な日常会話をします。このやり取りは点数には影響しません。試験の前のウォーミングアップと考えて自然な会話を心がけましょう。

スピーチ

自由会話が終わると、面接委員から5つの題目が書かれた「トピックカード」を受け取ります。その中から1つを選び、スピーチを行います。スピーチの内容を考える時間は、1分、メモはとってはいけません。時間が来たら、面接委員の指示でスピーチを始めます。スピーチの時間は2分です。2分経つと、途中でもスピーチは終了です。

Q&A

面接委員からスピーチの内容や、トピックに関連した質問が出題されます。

まとめ

英検一級は、CEFRでは、熟練した言語使用者に分類される国内で最も難しい英語試験のひとつです。英検一級の合格には、TOEICで900点以上を獲得する実力レベルが求められます。

日常生活であまり使われないような、マニアックで専門性の高い単語も含めて、約10,00015,000語の単語を覚えなくてはなりません。英検一級に合格するためには、語彙力だけでなく、状況に応じて適した単語や熟語を使いこなす判断力や、自分の意見を順序だって説明する整理力、分かりやすく伝える伝達力なども必要です。

ENGLISH-Xでは、英検やスピーチコンテスト、大学受験で実績を残している質の高い講師陣が、LINE・即時の英作文の添削指導や英検二次試験(面接)の模擬試験を行っています。プロの目線からの添削指導や面接指導で得点の取れる回答を身に着けて、英検一級の合格を目指しましょう。

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