設立1861年の歴史のある場所に、世界から約12,000人の優秀な人材が集うマサチューセッツ工科大学(通称:MIT)。留学生も30%ほど通い、アジア出身の学生も少なくありません。
コンピュータサイエンスから航空宇宙工学、そして経営学まで選択肢もさまざま。卒業後にノーベル賞を受賞した方や各分野の世界的なリーダーとなる方が多数います。
「でもMITには、どうすれば進学できるの?」
「そもそも、どうやって出願するの?」
こんな疑問をお持ちの方も、いらっしゃるでしょう。
この記事は、マサチューセッツ工科大学への進学を考える方のために、目黒の英語専門塾ENGLISH-Xが監修して制作しました。MIT進学に挑戦してみたい方に向けて、そのプロセスを解説します。どうぞ最後までお読みください。
※この記事は、7分ほどで読めます。
Contents
マサチューセッツ工科大学への進学に必要なもの
MITでお馴染みのマサチューセッツ工科大学は、大学の世界ランキングで頂点に立つこともある世界最高峰の大学です。あるときの合格率は、なんと4%と非常に狭き門…。そんなMITへの進学に立ちはだかる壁は、大きく分けると以下の2つになるでしょう。
- ハイレベルな成績
- 十分な学費
最先端の環境で学び、生活するためには膨大な学費がかかります。そして、世界トップレベルの大学にふさわしい成績も、当然ながら必要です。
ハイレベルな成績
MITへの進学を果たすためには、以下の3つでハイレベルな成績を目指す必要があります。
- 英語4技能試験の試験
- SAT or ACTテストの成績
- 高校の成績(GPA)
日本の制度と違って一発勝負の大学入試ではありませんが、世界の優秀な学生に負けない超ハイレベルな成績が必要になります。以下で具体的にチェックしましょう。
英語4技能試験の成績
MITは以下の英語4技能試験のうちの、いずれかのスコアを申告するよう義務付けています。世界トップレベルの学生が集って最先端の研究を行うわけですから、すべての活動を英語で問題なく行える力は、当然ながら必要です。
TOEFL |
最小値: 90 |
推奨: 100 |
IELTS |
最小値: 7 |
推奨: 7.5 |
ピアソン英語テスト (PTE) アカデミック |
最小値: 65 |
推奨: 70 |
ケンブリッジ英語資格(C1 Advanced またはC2 Proficiency) |
最小: 185 |
推奨: 190 |
Duolingo 英語テスト(DET) |
最小値: 120 |
推奨: 125 |
日本の受験生にとって身近なのは、TOEFLやIELTSでしょう。求められる英語レベルに到達することは決して容易ではなく、純粋な日本人が高校生のうちに上のようなスコアをおさめるには、特別な訓練が不可欠です。
SAT or ACTの成績
アメリカの大学入試には、SATとACTと呼ばれる共通テストがあり、MITでもいずれかの成績を大学に提出する必要があります。コロナ禍により「スコアの提出は任意」となりましたが、2022年から再び提出が義務づけられています。必要なスコアの目安は、以下のとおり。
- SAT:1500〜1570
- ACT:34〜36
上の数値だけではレベル感が沸かないと思いますが、MITに入学するためには、ミスがほとんど許されません。SATは1500点以上、ACTなら35点以上の取得が必要です。
なおSATやACTは、複数回受験でき、各セクションの最高スコアを申告できます。ただし受験した回数が伝わることは、考慮する必要があるでしょう。以下で、SATとACTについてもう少し詳しく見ていきます。
SATについて
SATには「数学」と「科学的背景のあるReadingとWriting」の2つのセクションがあります。それぞれが200〜800点で採点され、合計は1,600点満点です。
セクション |
パート |
問題数 |
時間 |
点数 |
Evidence-Based Reading and Writing |
Reading |
52問 |
65分 |
200~800点 |
Writing and Language |
44問 |
35分 |
||
Mathematics |
Non-Calculator |
20問 |
25分 |
200~800点 |
Calculator |
38問 |
55分 |
有名大学に進学するためには、最低でも1200点以上、可能なら1400点以上のスコアが望ましいとされます。ちなみに1400点以上のスコアは受験者の上位5%ですが、MIT進学希望者の75%は1520点以上を取ります。そのため、恐ろしくハイレベルな競争であると言えるでしょう。
ACTについて
ACTは、主に4つのセクションに分かれており、すべて選択問題です。また作文(Writing)を任意で受けられますが、MITでは申告不要です。
セクション |
問題数 |
時間 |
点数 |
英語(English) |
75問 |
45分 |
1〜36点 |
数学(Math) |
60問 |
60分 |
1〜36点 |
読解(Reading) |
40問 |
35分 |
1〜36点 |
理科(Science) |
40問 |
35分 |
1〜36点 |
作文(Writing)※任意 |
1題 |
40分 |
2〜12点 |
総合スコアは作文を除く4つのセクションの平均をとり、1〜36点で評価されます。ACTの全米平均は20点ほどなので、MIT進学希望者の平均35点は、異常なほどハイレベルであることが確認できるでしょう。
高校の成績(GPA)
高校の成績も、MITから入学許可を得るための大切な要素です。高校の成績は、アメリカ基準のGPA(Grade Point Averageの略で満点が4.0)に変換され、評価の対象となります。
「全学年全教科の5段階評定の平均値」から1を引いた数がGPAの目安で、MITに合格する人の平均は、3.5〜3.7というデータもあります。出願における最低基準はありませんが、GPAは高いほど有利になるでしょう。
なお高校では、以下の科目を修了していることが望ましいとされています。ただし、あくまで推奨なので、合否には影響がありません。
- 数学(微積分まで)
- 物理
- 化学
- 生物
- 英語(4年間の学習)
- 2年間の外国語学習
- 2年間の歴史または社会科学
十分な学費
MITは「Need Blind」という制度のもと、学費の支払い能力を合否に影響させない配慮があります。これは高額な学費のせいで、優秀な人材が学べなくなるのを避けるためです。しかしMITで学ぶためには、十分な学費が必要なことも現実です。
MITの学費は全米トップレベルの大学では平均的なもので、1年間で具体的に必要な金額の目安は次のようになっています。
学費 |
$59,750 |
学生生活費 |
$406 |
寮費 |
$12,380 |
食べ物 |
$7,010 |
教材 |
$880 |
個人的な費用 |
$2,304 |
合計 |
$82,730 |
MITの学部課程で学ぶためには、学費だけで年間約890万円かかります。生活費まで考慮すると、日本円にして年間1,240万円(2024年2月現在)ほどと、かなり高額です。よって、多くの学生が奨学金やローンを利用している現状です。
ただし世界最高峰のMITに合格する学生なら、奨学金がもらえる確率はかなり高くなります。大学公式の奨学金のみならず、国内のさまざまな機関を頼りにすることも可能でしょう。
マサチューセッツ工科大学に出願する際のポイント
この記事では、MITに出願する方法もチェックしておきましょう。出願に必要な書類や締め切り、出願の流れなどを解説します。
出願に必要なもの
手続きはWEBで完結させることが可能で、出願料には$75が必要です。また必要なものは、以下のとおり。
- エッセイ
- 推薦状2通
- 課外活動や学業の記録
- 成績証明書(高3の1学期)
- SAT or ACTの成績
この他に「独自に研究に取り組んだ学生」や「音楽や芸術の才能を持つ学生」は、ポートフォリオ(作品集)を提出することも可能です。ここからは、この記事でまだ解説していない「推薦状2通」「エッセイ」「課外活動や学業の記録」について見ていきましょう。
推薦状2通
出願手続きの中で、推薦状を書いてほしい先生方の名前とメールアドレスを入力して送信することで、先生方に「推薦状作成の方法」がメールで届きます。推薦状の1通は理系の先生、もう1通は文系の先生に作成を依頼して提出してもらいましょう。
推薦状は、出願者の客観的な評価が記載されるものです。したがって、自らを十分に理解してくれている先生にお願いすることが重要です。信頼できる先生に、進学の想いや将来のビジョンを伝え、高校生活でのあなたの活躍例を具体的に伝えてください。
エッセイ
MITの出願に際しては、いくつかの短いエッセイを書く必要があります。これは大学があなたの人物像をより知るためのものです。ちなみに2023〜 2024年は、次のような質問に答える出題形式でした。
- 興味を持っている研究分野は何で、それに魅力を感じる理由は?
- 楽しいと思っていることについて教えてください。
- 世界は、機会・経験・課題の面で、夢や願望をどう形成しましたか?
- 他の人と協力して学んだ経験やコミュニティに貢献した経験を1つ教えてください。
- 予想外の状況に直面したときに、どう対処しましたか?何を学びましたか?
それぞれ約100〜 200語での回答が求められ、最後に伝えたいことを自由に追加できるスペースも設けられています。あなたの独自性が伝わるような、想いや経験について書くとよいでしょう。
課外活動や学業の記録
MITはあなたの人物像を知るために、課外活動の申告も求めます。入力フォームには、4つのことしかピックアップできないので、あなたの課外活動の中で最も意味のあるものを選びましょう。たとえば、以下のようなものです。
- 過去の受賞歴
- 何かの大会の成績
- 何かの試験の成績
- ボランティア活動
- 参加した学習活動・プログラム
入学の合否に大きく影響はありませんが、プラスになることを記載したいところです。
出願パターンと締切
MITの出願パターンは、早期出願(Early Action)と通常出願(Regular Action)の2つです。これにより、他大学と併願することが可能となります。各スケジュールは、次のとおり。
|
早期出願 Early Action |
通常出願 Regular Action |
MITアプリケーション (基本情報・エッセイ等) |
11月1日 |
1月5日 |
推薦状2通 |
||
成績証明書 |
||
SAT / ACTのスコア |
11月の試験日 |
12月の試験日 |
高校3年の成績 |
2月中旬 |
|
合否の発表 |
12月中旬 |
3月中旬 |
MITの報告によると「どちらかの出願を優先的に受け入れることはない」とのことです。また2つに分ける理由は、以下のように説明されています。
- 出願準備に余裕を持たせるため
- 出願者の最良の選択を可能にするため
ただし実際は早期出願した約70%の選考が延期され、通常出願として選考されます。したがって、早期出願をしても早く入学が決まるとは限りません。なお出願はエントリー年度ごとに1度のみで、2回の受験はできない仕組みになっています。
出願から入学審査までの流れ
出願から入学審査までの流れは、以下の7つのステップに分けられます。
- 「MyMIT」のアカウントを作成
- 経歴・個人情報を入力
- エッセイを作成する
- 課外活動の情報を入力
- 高校の成績を提出
- 推薦状を提出
- インタビューを受ける
MITは紙面からわかる情報だけでなく、実際の人物像も審査の材料としています。そのため出願や成績の審査に必要な書類を提出すると、担当EC(Educational Counselor)からインタビュー(面接)のメールが届きます。受信箱をよく見ておき、すぐに返信しましょう。
インタビューの概要は、以下のとおりです。(何らかの理由で実施できない場合は、面接が免除になり、進学の審査にも悪影響は及びません。)
- 実施時期:早期(11月)・通常(1月)
- 形式:対面 or オンライン
- 実施時間:30分〜2時間
面接官は、MITの卒業生です。あなたの叶えたいこと熱意をしっかり伝えられるように、準備をしましょう。またインタビューはフォーマルなものではないため、普段着でOKです。面接に関する情報を集めて質問を予想しつつも、ありのままの自分で参加しましょう。
MITへの進学は日本の高校からも可能!
テクノロジーや学問で「世界をより良くする」志を有する人やユニークな発想をもった人を、MITは歓迎しています。難易度が非常に高いことは間違いありませんが、日本の高校からもマサチューセッツ工科大学に進学することは可能です。
MITへの進学を目指すなら、記事でも紹介した以下の3つの条件をクリアしましょう。
- 十分な英語力
- 世界に通用する学力
- 学費(奨学金も含め)
もし英語力が不安な方は、英語専門塾のENGLISH-Xが徹底的にサポートいたします!
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