「東大英語ってどんな問題形式なの?」
「東大英語の大問〇が苦手です。どう対策すればいいの?」
受験生の皆さんや東大受験を視野に入れている学生さんの悩みを解決します。
今回は、今年2022年度に現役で合格をした現役東大生が東大英語のあれこれを紹介するとともに、対策法も教えようと思います。
本記事は目黒の英語専門塾ENGLISH-Xで生徒として学び、東大に現役合格し、現役で生徒の指導をしている安積が、東大英語の内容を知っておきたい受験生に向けて制作しました。
※この記事は、7分ほどで読めます。
Contents
東大英語の概要
はっきり言います。
東大英語は時間との勝負であり、(対策をすれば)簡単です。
たしかに、基本的な英語力は求められますが、他に必要なものはありません。
さて、その(対策をすれば)簡単な試験とはどのような内容なのだろうか。
現役東大生が初めに東大英語の大枠を紹介します。
・東大英語の試験時間と配点
東京大学の英語の試験は、2日目に行われます。
試験時間は120分(初めから、45分経過後に30分間のリスニング)で、大問は5個です。配点は公表されておらず、年によって変動はすると思うのですが、おそらく下表のようだと考えられます。
大問 |
配点 |
1 |
22 (a;10, b;12) |
2 |
26 |
3 |
30 |
4 |
22 (a;10, b;12) |
5 |
20 |
上の表を見たらわかるように、大問2の英作文と大問3のリスニングが他の大問と比べて、配点が高いと考えられます。
つまり、東大英語のカギを握るのはリスニングと英作文です!
また、東大英語が時間との勝負であることもわかりますね。
・東大英語の目標点数(文理別)と合格者平均点
では次に、受験生が東大を合格するために取りたい英語の点数を文系、理系、英語が得意な方、英語が苦手な方に分けて紹介します。
文系(英語が得意)→80以上
文系(英語が苦手)→70以上
理系(英語が得意)→75以上
理系(英語が苦手)→65以上
※この点数は例年の参考であり、ある年度の難易度によって多少変化します。
文系の方は、英語以外の教科で差があまりつかないので、目標点数が理系よりも高めです。
なので、切羽詰まっていない文系の方は英語を得意科目にしましょう!
理系の方は、英語以外にも数学で差がつきやすいので、英語が苦手な方は数学で点数を稼ぎ、数学が苦手な方は英語で点数を稼ぐ、といった作戦で挑むのが良いと考えます。
・東大合格者の英語平均点
|
2019 |
2020 |
2021 |
2022 |
文科一類 |
83.7 |
82.6 |
81.8 |
77.3 |
文科二類 |
78.8 |
77.5 |
83.0 |
74.6 |
文科三類 |
78.7 |
78.9 |
79.9 |
78.2 |
理科一類 |
77.6 |
75.3 |
84.3 |
74.6 |
理科二類 |
76.0 |
72.3 |
82.7 |
72.0 |
理科三類 |
85.3 |
87.8 |
91.7 |
84.3 |
(UTaisaku-Web 参照)
※この点数は、合格者の平均点なので、私が提示している目標点数よりも高めです。
大問ごとの詳細と解説
ここまでで、東大英語の大枠を紹介したので、これから各大問の詳細と解説をしていきます。
・東大英語大問1
大問1は、1aと1bに分かれており、1aは、約400語からなる英文を70〜80語の日本語にまとめる、いわゆる要約問題です。
1bは、文から5つの段落が抜き出された長文(空白が5つ)の空白にあてはまる段落を選択肢8つから選ぶいわゆる段落整序問題です。
この大問は、東大英語特有の問題であり、筆者が伝えたいことを早く読み取る能力が問われています。
まず、1aの対策法を紹介します。
時間勝負の東大英語において、速読力は欠かせません。
しかし、大問1では、ただの速読力ではなく、重要な部分を飛ばさず、かつ重要でない部分を読み飛ばす能力が必要です。
つまり、筆者の意見が書かれている部分はよく読み、具体例などは読み飛ばし、解答の中にはいれないということです。
この能力は、普段扱っている長文でパラグラフリーディングを気にして読解することで、養えます。
また、語数制限に関して、東大英語の問題文には下書き用のマスが用意されているので、一度、語数を気にせず下書きに書いてみて、その文から添削して回答用紙に清書することをオススメします。
次に、1bの対策法を紹介します。
1bの長文は通常の長文問題として出されてもおかしくないほどの難易度と文量があります。
つまり、最初から最後まで読解してから解こうとすると、時間が足りません。
そこで、1bを攻略するためには、文中の注目すべき英単語が2種類存在します。
1つ目は、接続詞です。
接続詞とは、文と文(語句と語句)を結ぶ役割を持っています。
文と文が切断されて、内容が掴みづらい1bでは接続詞に注目することで、どの選択肢がある空欄の前後の文と矛盾が生じるかがすぐにわかり、選択肢を絞ることができます。
2つ目は、指示語です。
指示語とは、前に出てきた人や物をHeやItと表すことで、文を回りくどい言い方にしないという役割を持っているので、前の文に出てこない物事を指示語で表現するのは不可能です。
つまり、選択肢の中にある指示語や空欄の前後にある固有名詞などに注目すれば、選択肢を絞ることができます。
普段、ある指示語が何を指しているのかを気にして長文に取り組めば、1bでの間違った選択肢も早い段階で切れると思います。
・東大英語大問2
大問2も2aと2bに分かれており、2aはかなり抽象的なお題に対しての自由英作文で、2bは、一般的な和文英訳です。
この、自分で英語の文章を即興で書く大問2が概要で言った通り、東大英語の鬼門かつカギです。
2bは他の大学でも出されそうな和文英訳なので、基本的な英語表現を覚えることが唯一の対策法です。
では、東大合格のカギの一部を握っている2aの対策法を紹介します。
上に書いた通り、お題はかなり抽象的で、毎年、受験生を苦しめています。
このお題のせいで、自由度が増す点が東大英語の難しさの一つではあるのですが、それとは逆に、自分のフィールドに持ち込むことが可能であるとも言えます。
文の内容がひどい物を除き、内容はあまり点数に影響はなく、実際に、英作文での失点の原因のほとんどが文法ミスです。
つまり、抽象的な物事について、その感じ方はそれぞれ自由なわけですから、こじつけで自分が書きやすい状況に持っていくのが2aのコツです。
なので、自分のフィールドに持っていくための定型分や持って行った後に書く定型分を3,4個ずつ用意して、記憶するのが2aの対策法です。
具体的に、自分が得意だったフィールドは、環境系、食糧難などの現代の問題や、人間関係だったので、この辺りの知識や使いやすい表現は記憶していました。
以下の記事で東大だけに限らない、大学受験や英検の英作文の勉強法やコツをまとめています!
・東大英語大問3
大問3は3aと3bと3cに分かれていて、東大英語の象徴とも言える30分間のリスニングです。
このリスニングは、急に始まるのではなく、試験開始45分後に、「今からリスニングを行うので、用意してください」的なことがアナウンスされるので安心して受験してください。
内容としては、約5分間の英文が各2回ずつ流れます。
年によって内容は異なるのですが、3a,3b,3cで内容が連続なこともあります。
この5分間の英文に緊張した状態でついていくのが大問3の難しさの大部分です。
リスニングが始まる数分前からスクリプトを読み始め、ある程度分の内容を掴むことがコツです。
自分がどれくらいの時間で、スクリプトを全て把握できるのかを知っている方が断然有利なので、過去問を活用して自分の力を知っておきましょう!
対策法としては、耳に英語が馴染むことを目標として、同じ英文でもいいので、毎日リスニングを行い、演習を積むことしかありません。
逆に言えば、やればやるだけ点数が伸びる大問であり、リスニング力は、急にグンと伸びるような能力ではないので、早め早めに始めましょう。
「リスニングをしたことがないよ」という方のために、以下の記事でリスニングの勉強法をまとめています!
・東大英語大問4
大問4は4aと4bに分かれていて、4aは、ある長文の中での内容的な不適語や文法的な誤りを選択肢から選ぶという文法・語法問題です。
4bは、一般的な和訳問題です。
まず、4aの対策法を紹介します。
4aは上に紹介した通り、文法問題であるので、文法事項を完璧にすることが対策法ではあります。
英語文法は単元が多く、一から勉強するのが大変だという方のために以下の記事で文法の勉強方法、勉強スケジュールをまとめています!
しかし、おそらく1問2点であり、時間をかけても完答することが難しいと、コスパが悪すぎるので、戦略的に撤退して、他の大問に時間を充てることも一つの手です。
次に、4bの対策法を紹介します。
4bは、一般的な和訳問題ではありますが、一筋縄ではいかないくらい難しく、時間をかけずには解けません。
東大の和訳問題は難読英単語が出題されるから難しいのではなく、馴染みのある単語が名詞化や動詞化など、活用が施され、どのように訳すべきかが難しく、単語の推測力が必要になってきます。
また、採点基準が公表され、東大二次試験本番に寄せている東大模試を受けたことのある受験生はわかると思うのですが、採点基準が厳しめであるので、曖昧な訳し方だと点が取れないのも難しさの一つです。
なので、最初から最後まで訳し漏れがないか、いらないとこまで訳していないかをチェックするのがコツです。
対策法としては、普段扱っている長文に出てくる知らない英単語について、すぐに調べるのではなく、文脈から考えるという経験を積むことです。
・東大英語大問5
大問5は、受験生に深い内容理解を求める長文問題です。
この長文は物語文と呼ばれており、登場人物が多かったり、各々の人物の心情を読み取ったり、急に場面展開として、回想シーンになったりと変化が目まぐるしい点が難しさの大部分です。
問題としては、文法問題と内容理解を図る記述があります。
この問題を解くときのコツは人様々ですが、私が受験生の時に活用していたことは、自分が読んでいる場面に登場するかのように想像し、かつ、登場人物に感情移入することです。
これを無意識に行えるようになると、どこが回想シーンであるのかに気づきやすくなります。
対策法としては、小説に触れることですが、受験生の皆さんは過去問を積極的に取り組み、自分なりのコツを見つけることです。
東大だけに限らない、長文読解の学習法やコツは、以下の記事にまとめています!
英語長文読解が苦手な方へおすすめの学習法・コツを慶大生が紹介!
試験本番の時間配分と合格への作戦
概要で書いたように、東大英語は時間との勝負なので、どの大問に時間をかけるかの時間配分と解く順番が重要になってきます。
これらは絶対に試験前に設定しておいた方が良いです。
設定していれば、本番で解けない問題があったとしても、設定時間が終われば、その問題を引きずらずに、他の問題に切り替えることができたり、設定時間に余裕を持って終われば、他の問題にいつもより時間を費やせることを認識することができます。
ここで、私の時間配分と解く順番を紹介します。
私の場合は次の様でした。
2a,2b(25分)→1a(12分)→リスニングのスクリプト下見(8分)→3(30分)→4b(10分)→5(25分)→1b(10分)
また、私の東大生の友達M君は次の様でした。
1a(10~12分)→2a,2b(20~25分)→リスニングのスクリプト下見(5分)→3(30分)→4b(10分)→1b(10~15分)→5(20~25分)
M君も然り、私は大問4の解説で書いた通り、4aは、コスパが悪いので、運任せで時間をかけずに回答し、他の大問の回答の見直しに使っていました。
この時間配分は、人によって変わり、過去問や東大模試を受けていく中で確立していくものなので、私やM君の例は参考程度にしてください。
まとめ
私は、最終的に、他の大学の英語は苦手でしたが、東大英語だけは苦手ではなく、他の受験生に食らいつくことができるくらいのレベルに登ることができました。
これは、自分の東大英語の分析と対策のおかげだと思っています。
今回は、その分析と対策法を紹介したので、ぜひ活用してください。
東大の英語対策ならお任せを!
本文で書いた通り、ライバルに差をつける問題は次の二つです!
・大問2の英作文
・大問3のリスニング
これらは英語の読解力、単語力があっても点数が伸びにくい問題です。
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