「慶應の商学部英語って、どう対策する?」
「英語は、何割取れば合格レベルなの?」
当記事は、慶應大学商学部を目指す受験生の疑問に答えるべく、目黒の英語専門塾ENGLISH-Xが制作しました。
英語の問題傾向だけでなく、対策や勉強法もお伝えするので、ぜひ最後までお読みください!
※この記事は、7〜8分で読めます。
慶應大学商学部の英語【概要】
慶應大学の商学部の入試は、毎年2月の中旬ごろに実施されます。ここでは、英語の概要をサクッと確認して、まずは全体像を捉えましょう。
慶應商学部英語の科目と配点
英語の配点は、200点です。なお、試験はA方式とB方式に分かれています。各方式の試験科目と配点の詳細は、以下を参考にしてください。
【A方式】
英語:200点
地歴:100点
数学:100点
【B方式】
英語:200点
地歴:100点
論文:100点
A・Bどちらの方式でも、英語は総合400点満点のなかで、半分の200点を占めます。慶應の商学部に合格するためには、英語の対策が必須かつ重要です。
慶應商学部英語の平均点と難易度
直近5年間の英語は、約115点が平均点です。ただし、年度によって平均点には大きな差があり、得点率で示すと50〜62%あたりを推移しています。
年度 |
英語の平均 |
得点率 |
2022 |
109.24 |
55% |
2021 |
100.35 |
50% |
2020 |
124.55 |
62% |
2019 |
115.24 |
58% |
2018 |
124.95 |
62% |
商学部英語の難易度は、慶應の中では高くありません。GMARCHの問題で、8割以上取れる力があれば、十分通用する試験問題です。
慶應商学部英語の目標点は何割?
英語の目標点は、A方式とB方式でやや異なります。目標点を方式別に確認しましょう。
A方式の場合
A方式の場合、英語の目標点は7割に設定するのがベストです。合格最低点を参考にすると、140点ほど英語の得点があると入試では有利になるからです。
【直近5年の合格最低点(A方式)】
年度 |
合格最低点 |
得点率 |
2022 |
240 |
60% |
2021 |
252 |
63% |
2020 |
244 |
61% |
2019 |
258 |
64% |
2018 |
265 |
66% |
※合格最低点は補正後の点数
※地理と歴史の科目間で得点調整あり
合格最低点の得点率は、60〜70%の間を推移します。よって英語で7割取れれば、
- ライバルからリードを奪える
- 他の科目に余裕ができる
という2つのメリットが発生します。
年度によって難易度のバラツキはありますが、7割突破を目標にして、過去問演習に取り組みましょう。
B方式の場合
B方式の場合、英語の目標点は8割を目指しましょう。合格最低点を参考にすると、英語で160点取れれば、余裕ができます。
【直近5年の合格最低点(B方式)】
年度 |
合格最低点 |
得点率 |
2022 |
293 |
73% |
2021 |
288 |
72% |
2020 |
309 |
77% |
2019 |
288 |
72% |
2018 |
302 |
75% |
※合格最低点は補正後の点数
※地理と歴史の科目間で得点調整あり
過去5年の合格最低点の得点率平均は、約74%(296点)です。英語で8割の160点が取れたとすると、136点以上を残りの2科目でカバーすれば合格です。
過去5年の平均が「論文は約60点」で「地歴は67点」なので、7割取るのは無理のない範囲でしょう。英語でリードを奪い、残りで平均を上回れば、合格の可能性は高まります。
慶應大学商学部の英語【傾向・特徴】
慶應大学の商学部英語は、全部で8つの大問から構成されています。なお、試験時間は90分間で、大問7〜8のみ記述式の解答形式です。大問の内訳と時間配分の目安は、以下に記載します。
- 大問1:長文読解(15分)
- 大問2:長文読解(15分)
- 大問3:長文読解(15分)
- 大問4:文法・語法(10分)
- 大問5:空所補充(10分)
- 大問6:中文内容一致(10分)
- 大問7:長文空所補充(7分)
- 大問8:長文空所補充(7分)
さまざまな設問がありますが、タイプの異なる空所補充が多い点が商学部英語の特徴です。また限られた時間内に、手際よく解答するスピードが、試験の成否を左右する要素となるでしょう。
大問1〜3:長文読解
例年、大問1〜3には長文読解が出題されます。3つの長文の総語数は2,000〜2,500語となっており、他にも問題が多数あることを考えると、スピーディーに解くことが重要です。
大問1〜3に出題される設問の例は、以下のとおりです。
- 空所補充
- 同意表現
- 内容一致・不一致
- 内容把握
- タイトル選択
本文そのものは比較的読みやすく、独特な問題も多くありません。強いて言えば「本文内容から推論させる設問」や「本文のタイトルを選択する設問」など、論旨の理解を問う問題が出題されます。手際よく解いて、着実に得点を積み重ねたい大問です。
大問4:文法・語法
大問4は、とてもシンプルな文法・語法問題です。100語ほどの短文を読んで、4つの選択肢から選んだ適当な語句を空所に補充する問題となっています。
難易度の高い問題はあるものの、慶應レベルの標準的な文法力があれば、対応できます。正解すべき問題で、ミスをしないように気をつけましょう。
大問5:空所補充
大問5は、長文を読みながら、空所に適当な単語や語句を補充する問題です。文法・語法の知識で解く力ではなく、文脈を理解する力が求められます。
一定の語彙力を身につけ、スムーズな読解ができれば、問題ありません。難易度は決して高くないので、確実に得点を積み重ねましょう。
大問6:中文内容一致
大問6には、数行にわたる英文が4つあり、各文の内容理解を問う問題が中心です。出題される主な設問は、以下のとおりです。
- 内容一致
- 内容不一致
- 論旨の要約
設問形式にクセはありませんが、選択肢の比較・吟味に時間がかかる可能性があります。学習段階で英文精読の力をつけ、解答時間を短くする練習が必要です。
大問7〜8:中文空所補充(語彙)
大問7〜8は、記述式の問題です。長文の空欄に、与えられた単語を適切な形に変えて補充する問題です。
また問題文には、以下のような指示があります。過去問を解く際に、指示を確認することに慣れておきましょう。
- 最も適切な語形に変えて
- 名詞形のみを使用すること
動詞関連の出題が多く、特に「現在分詞」「過去分詞」が頻出します。また解答を記入する際には、時制に注意してください。名詞形に変化させた後は、単数・複数の扱いにも気をつけましょう。
単語を覚えることが苦手な人は、以下の記事もぜひ参考にしてください!
慶應大学商学部の英語対策【勉強法&おすすめの参考書】
慶應大学の商学部英語を攻略するためには、総合的な英語の力と読解のスピードが試されます。この2つの力を身につけるために、以下の3つの勉強法を実践してみてください。
- 英検2級以上の語彙力を身につける
- 文法語法の経験値を上げる
- 読解スピードを上げる
1、英検2級以上の語彙力を身につける
慶應の英語レベルに対応し、知識系の問題で正解を積み上げるために、語彙力を鍛えましょう。特に大問7・8は他にない独特な形式なので、練習が必要です。
単語は『ターゲット1900(桐原)』レベルまでを、1冊完璧に仕上げてください。余裕があれば、以下の単語帳も加えましょう。
- 速読英単語 必修編(Z会)
- 解体英熟語 (Z会)
学習段階では、単語のスペルを正しく覚えると同時に、単語は派生語までグルーピングして覚えることが重要です。
また積極的に「英検2級」や「英検準1級」の取得も推奨します。大問7・8のような語彙系問題の対策としてだけでなく、大問5の対策としても有効です。
英検2級や準1級の取得に役立つ情報や勉強法を知りたい方は、以下の記事もおすすめです。
2、文法・語法の経験値を上げる
文法・語法の力を鍛えるのは、主に大問4の対策のためです。ここは、確実に点数を積み上げたい問題なので、限りなく満点に近い点数を目指しましょう。学習の手順は、以下のとおりです。
- ネクステージ 英文法・語法問題(桐原)
- 全解説 頻出英文法・語法問題1000(桐原)
- 過去問
商学部の問題は、慶應のレベルでは標準的なので、上記の参考書・問題集で練習を積めば十分に対応できます。間違えた問題はもちろん、正解した問題も、解答の導き出した根拠まで合っていたかを確認することが重要です。
「文法が苦手だ…」「勉強法がわからない…」という方は、以下の記事も参考にしてみてください!
3、読解スピードを上げる
慶應の商学部英語は、語彙力や文法・語法力を問う設問もありますが、根幹となるのは、長文読解です。大問1〜3や5・6では、内容理解や文脈を読み取る力が問われます。
90分という限られた時間で、素早く正確に解答する力が必要なので、読解スピードを上げる練習をしてください。おすすめの勉強法は、以下のとおりです。
- スラッシュリーディングを取り入れる
- 長文の音読を行う
- 500〜700語の長文に慣れる
勉強法については、以下でさらに詳しく解説します。
スラッシュリーディングを取り入れる
英文を読むスピードが遅い人は、スラッシュ・リーディングを身につけましょう。スラッシュ・リーディングが自然にできれば、読解スピードの向上につながります。
スラッシュ・リーディングは、意味のまとまりごとに、英文を前から解釈する読み方です。
【例】I went to the park / to play baseball / with my friends / yesterday.
上記の英文を「私は公園に行った、野球をするために、友達と、昨日」のように、節や句など、まとまりごとに訳せばOK。読んだそばから、どんどんイメージする読み方を練習しましょう。
長文の音読を行う
読解スピードを向上するには、音読も有効です。なぜなら、読んだ文をすぐに訳す癖をつけられるからです。
『速読英単語(Z会)』や演習で解いた長文を、声に出して、できるだけ速く読んでみましょう。日本語に変換せずに、英語を読んで内容をイメージする力を養います。
初めは、同じ長文を何度も利用して構いません。慣れてきたら、いろいろな長文を使って、音読をしてみましょう。
500〜700語の長文に慣れる
最も質の高い演習問題は過去問ですが、過去問を解く前に、本番に近い量とレベルの長文に慣れることも重要です。長文に慣れることで、解答効率は上がります。
練習におすすめの参考書や問題集は、以下のとおりです。
- やっておきたい英語長文500〜700(河合)
- イチから鍛える英語長文500〜700(学研)
- 他学部の長文問題
- GMARCHの長文問題
過去問演習を始めるまでの時期に、一定量の練習をするのが理想です。練習でも時間を測り、緊張感を持って取り組みましょう。
「スピードも何も、そもそも長文読解が苦手…」という方には、以下の記事がおすすめです。
英語対策を徹底して慶應大学商学部に合格しよう!
慶應の商学部英語は、A方式で7割(140点)・B方式で8割(160点)を目指しましょう目標点数を高く感じる人もいると思いますが、きちんと対策すれば大丈夫です。
【慶應商学部英語のポイント】
- 読解と解答のスピードが超重要
- タイプの異なる空所補充問題を攻略すべし
- 英検2級以上の取得を通して力を鍛えるべし
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