
「英検1級の要約は、どう対策するべき?」
「英検1級の要約では、どんな力が求められる?」
「英検1級の要約を攻略するコツを教えて!」
こんな疑問や要望にお応えします!
本記事は、英検1級を保有する佐藤塾長をはじめとし、英検準1級や1級レベルの講師が在籍する目黒の英語塾ENGLISH-Xが監修して制作しました。
英検1級の要約は、無策で挑むと失敗する可能性「大」…。しかし必要な力を身につけて解き方のコツを押さえれば、ライバルに差をつけることが可能。英語専門塾の視点から解き方のコツや勉強法、解答のチェックポイントなどを解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
※本記事は7分ほどで読めます
英検1級の要約とは?
英検1級の「要約問題」は、2024年度から導入された新形式のライティング問題です。出題される英語の原文(約300語)を、約3分の1の90〜110語にまとめる力が問われます。なお解答時間の目安は、10〜20分です。
要約の問題例
実施の問題を見て、要約問題をもう少し深掘りましょう。まずは、以下の問題を見てください。
設問文:
- Read the article below and summarize it in your own words as far as possible in English.
- Summarize it between 90 and 110 words.
- Write your summary in the space provided on Side A of your answer sheet.
Any writing outside the space will not be graded.
原文:
The Ogallala Aquifer lies beneath a large area of land that includes parts of eight states in the central United States. An aquifer is an underground layer of rock that is saturated with water and serves as a source of fresh water for wells and springs. The Ogallala Aquifer is crucial for the region’s economy, as agriculture is dependent upon the water it provides for irrigation. Because the region is relatively dry, water has been pumped from the aquifer at high rates—primarily for agricultural use but also for drinking and other purposes—since the mid-twentieth century.
Excessive removal of water from the aquifer, however, has led water levels to decline significantly. In some places, levels have dropped by more than sixty meters. As a result, the future usability of the aquifer as a water source is now uncertain. The region supplied by the aquifer is an important producer of agricultural goods, many of which are exported abroad. This means if the aquifer runs dry, there would not only be significant effects on the regional economy, but the resulting reduction in agricultural exports could also cause a rise in the prices of food in countries around the world.
Some states where the Ogallala Aquifer is a key water resource have enacted legislation to address the problem. It has limited the amount of water farmers can pump from the aquifer. This includes forcing farmers to install devices that measure water usage. However, these changes have angered farmers in the region who need a lot of water to maintain crop production at economically sustainable levels. The farmers also say having to install costly meters in their wells is hurting them financially. On top of this, restricting access to the water below farmland may make it less valuable real estate. These factors combined have many farmers concerned that their farms may be unable to continue into the future.
要約の解答例:
The large volume of water extracted from the Ogallala Aquifer is the bedrock of the region’s agriculture industry. This makes it alarming that over-extraction of water from the aquifer could eventually lead to diminished agricultural production, potentially inflating food prices across the globe. To head off this looming crisis, local governments are restricting water extraction from the aquifer that can be used for agriculture through regulations and compulsory monitoring of water consumption. Despite the plan’s benefits, the mandates regarding the aquifer pose serious economic threats that could doom local farmers’ businesses.
解答例を見てわかるように、自らの意見や知識を展開する必要はなく、原文の論理構成を正確に読み取って重要なポイントを再構成するスキルが求められます。人によってはアイデアをひねり出す必要がある自由英作文よりも、取り組みやすいと感じるでしょう。
原文はリーディング問題の長文より読みやすく、社会的・学術的なテーマに基づいたエッセイ形式であることが多くなっています。ただし注意して読まないと、論理展開が「やや複雑」に感じる点には注意が必要です。
要約の評価基準
要約の解答は、下表の4つの基準によって採点されます。
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評価項目 |
得点 |
評価基準の要点 |
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内容 (Content) |
8 |
・本文の要点が正確に含まれているか ・主観や感想を含まず、客観的であることが必要 |
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構成 (Organization) |
8 |
・論理構造(因果関係、対比、逆接など)を再現 ・接続詞を適切に使用して明確な流れにする |
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語彙 (Vocabulary) |
8 |
・抽象的な言い換えや類義語を活用 ・繰り返しではなく、1級相当の語彙で表現する |
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文法 (Grammar) |
8 |
・正確で簡潔な文法を使用 ・分詞構文、不定詞、前置詞句などを効果的に使う |
各基準の持ち点は8点満点で、その合計32点満点です。
【英検1級の要約対策】攻略に向けた5ステップ
英検1級の要約は、自由英作文と違って解答の根拠が本文中にあるため、取り組み方をきちんと理解すれば得点源にもなり得ます。ただし要約に慣れないうちは、難しく感じることも…。ここでは、高得点を目指すための解答作成術を5つのステップでご紹介します。
ステップ1:全体構造の把握(パラグラフリーディング)
まずは、文章全体の論理構造を読み取りましょう。解答をスムーズかつ正確に作るためには、原文どおりの論理構造で書くことがベストだからです。
たとえば要約の対象となる原文の多くは、
- 導入・問題提起
- 原因・影響
- 対策・懸念
というような構成で書かれることが多く、パラグラフごとに役割が分かれています。
一文ずつを正確に解釈して内容を深く理解するのではなく、初めは文章全体のテーマや展開を捉えていきます。各段落のディスコースマーカー(接続語)などに注目して、論理展開を頭に入れましょう。
ステップ2:各パラグラフの要点の抽出
本文の大まかな展開を掴んだら、各パラグラフの要点(主張)を明確にしましょう。各パラグラフの内容を誰かにダイジェストで伝えるときに、欠かすことができない主張はどれかという視点でトピックセンテンスを見つけてください。
見つけたら、視覚的にわかりやすいように線を引いておきましょう。またはパラグラフごとの主張を日本語でメモしておいても構いません。たとえば、本記事で取り上げた『2025年度第1回の過去問』の場合、以下のように書き出せます。
- 第1段落:オガララ帯水層は農業に不可欠であり、広く利用されてきた
- 第2段落:水の過剰利用により水位が著しく低下し、今後の利用に不安
- 第3段落:政府の対策はあるが、農家にとっては経済的な負担が大きい
ここまでのステップで「なにを書くべきか」が決まります。実際に「どう」ライティングするかは、以下のステップで確認してください。
ステップ3:情報の選別と抽象化
限られた語数内に要約をまとめるために、情報をコンパクトにして伝える準備をしましょう。要約の際に、具体例や数を解答に含めると、語数オーバーになる可能性が高くなります。よって、情報を選別・抽象化して(1つの「大きな言葉」に言いかえて)伝えることが重要です。
たとえば「水、牛乳、ジュース」を、そのまま書いたら長くなるでしょう。しかし、これを「飲み物」とひとまとめにすれば、すっきりします。同じように「農業用、飲料用、その他の目的で使われる水」という表現なら、「多様な目的の水利用」とまとめることが可能です。
抽出した各パラグラフの要点(トピックセンテンス)の似ている内容を、別の言葉にまとめることで、自然と質の高い解答になります。
ステップ4:パラフレーズとディスコースマーカーの利用
要約を作るときには、本文の表現をそのまま使うのではなく、別の表現にパラフレーズし(書きかえ)ましょう。
原文と同じ表現をそのまま使うだけの要約は、自ら語彙力不足をアピールしているようなものです。また原文の主張を別の表現で再現できていれば、語彙力だけでなく、理解した内容をきちんと再現できたこともアピールできます。
たとえば"big problem" という言葉を "serious issue" に言いかえるのもパラフレーズの1つです。ほとんど同じ意味ですが、原文と違う表現を使うことが高評価につながります。
またディスコースマーカー(つなぎ言葉)をうまく使って、本文の論理構成を再構築していくことも大事です。シンプルに読みやすくなるだけでなく、解答の構成を評価してもらえるでしょう。主に以下のようなディスコースマーカーを、状況に応じて使い分けてください。
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ディスコースマーカー |
日本語の意味 |
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順接 |
therefore(それゆえ) |
原因や理由を受けた結果を示す |
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thus(したがって) |
結論や結果を簡潔に示す |
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consequently(その結果) |
論理的に結びついた結果を述べる |
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添加 |
in addition(さらに) |
情報を付け加える |
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additionally(その上) |
情報をさらに追加する |
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besides(そのうえ) |
補足的に情報を加える |
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逆接 |
however(しかし) |
前の内容に反する情報を述べる |
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although(〜だけれども) |
対立する情報を含む文の導入 |
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nevertheless(それでも) |
逆らう内容でもなお成立することを示す |
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despite(〜にもかかわらず) |
逆条件でも結果が変わらないことを示す |
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対比 |
on the other hand(他方では) |
対照的な意見や事例を示す |
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while(〜する一方で) |
同時に対立する内容を述べる |
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whereas(〜なのに対して) |
比較や対照を示す |
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meanwhile(その間に、一方で) |
並行して起こる対照的な事柄を示す |
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結論 |
in conclusion(結論として) |
話のまとめや結論を述べる |
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ultimately(最終的に) |
一連の結果や最後の状態を示す |
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|
in the end(結局は) |
結末や最終的な判断を述べる |
パラフレーズの力と、ディスコースマーカーを適切に使用する力は、どちらも要約で高得点を取るためのカギです。覚えたものを練習の際に積極的に使いながら経験値を高めることで、解答作りに活かしていきましょう。
ステップ5:解答の最終チェック
ステップ4までで、解答はいったん完成します。しかし必ず解答を最初から最後まで一気に読む機会を作り、解答の調整や最終チェックを行いましょう。
解答のチェックポイントは、以下の7つです。
- 意見を含めてしまっていないか
- 具体例や数値を含んでいないか
- 同じ情報の繰り返しがないか
- 原文と同じ論理構造になっているか
- 語数の不足 or 超過はないか
- スペルミスや文法・語法のミスがないか
- 同じ表現の繰り返しがないか
原文に書かれている内容を短くまとめるだけでOKなので、要約に自分の意見は不要です。また語数制限を守るためにも、伝える情報が最小限に抑えられているかもチェックしましょう。不要な情報や情報の重複があれば、削除して調整してください。
2024年度までの語数制限は単なる目安でしたが、2025年度からはルールが厳格化しており、90〜110語の範囲に収めないと減点対象になります。過去問を解く際には、注意してください。またスペルミスや文法・語法のミスがないかも、しっかりチェックしましょう。
【英検1級の要約対策】得点力に直結する勉強法3選&参考書
ここでは、要約問題の攻略に照準を合わせた効果的な勉強法をご紹介します。以下の3つの勉強法について、順番にチェックしていきましょう。
- パラグラフリーディングのスキル向上
- パラフレーズのための語彙力強化
- 徹底した過去問演習と添削
1.パラグラフリーディングのスキル向上
パラグラフリーディングの「いろは」を学ぶためには、まずパラグラフリーディングを実践するための知見を得ることが重要。一文一文を丁寧に解釈して読む精読とは、別物だと考えてください。
たとえば、英語には「1パラグラフ1トピック」という原則があります。これは、1つのパラグラフ(段落)には1つの話題(トピック)のみを記述するというものです。
1つのパラグラフは、トピックセンテンス(最も伝えたいことを伝える核となる文)と、それをサポートする文で構成されています。したがって、トピックセンテンスを探す視点を持つことが重要です。
多くの場合は1文目にありますが、背景説明の後に来る場合もあります。またディスコースマーカー(論理マーカー)を活用して、情報の重要度や各文の関係性を把握することで、文章構成を紐解くことが容易になります。
上記のような知見を得るためには、専用の参考書を用いて学習するのがベストでしょう。おすすめの参考書は『パラグラフリーディングのストラテジー(河合塾)』です。このシリーズを通じて、パラグラフリーディングの基礎から実践までを体得できます。
2.パラフレーズのための語彙力強化
パラフレーズのための語彙力強化に向けて、以下の2つを実践することを推奨します。
- 類義語の習得を習慣化する
- 和文英訳の参考書に取り組む
- 実際に使用していく
これまで使ってきた単熟語帳の類義語を、復習の際に一緒に確認する習慣をつけることが、最もシンプルで堅実な勉強法です。おそらく初めは見出し語を優先的に覚えてきたはずなので、それ以外の部分も絡め取って、知識をストックしていきましょう。
また単語や熟語のパラフレーズだけでなく、同意のことを別の英文で伝えるスキルを学ぶためには、和文英訳の練習をするとよいでしょう。たとえば『ドラゴン・イングリッシュ基本英文(講談社)』に取り組めば、英作文に使える表現のストックを増やすことが可能です。
またパラフレーズを行うときは、決して原文より難しい表現を使わないといけない訳ではありません。より短い表現に言い換えられれば字数制限の調整にも貢献できますが、同じことを表現できる単語や熟語を使えば、とりあえずOKです。
3.徹底した過去問演習と添削
英検の過去問やサンプル問題など、手に入る問題は必ずすべて解きましょう。英語の学習を普段から行っている方でも、あまり要約問題に触れる機会は少ないはずだからです。
そもそも英検の要約問題は2024年度から始まった歴史の浅い問題なので、本番と同形式の問題は少なくなっています。よって、積極的に予想問題集や参考書も利用すべきでしょう。たとえば、以下の2冊は定番です。
- DAILY31日間 英検1級 集中ゼミ(旺文社)
- 7日間完成 英検1級 予想問題ドリル(旺文社)
英検1級を受験する方の多くは、準1級も受験してきたことでしょう。しかし準1級の要約問題を解いた経験がないという方は意外と多いはずなので、演習量を増やして要約に慣れるという意味では、準1級の要約問題に取り組むのも悪くないでしょう。
また、どのようなケースにおいても解答の添削をしてもらうことが不可欠です。添削をしてもらうことで、自分で気がつかないミスを指摘してもらえたり、想定外の表現方法を教えてもらえるので、確実に解答の質を高めることが可能になります。
英検1級の合格には要約以外の対策も重要
この記事では、要約の攻略にスポットライトを当ててきました。しかし英検1級に合格するためには、4技能のすべてでハイレベルな力が求められることも忘れてはいけません。
本記事をここまで読んでくれた学習者の皆さんには、少しでも合格へ近づいてほしいと考えております。もし要約以外の問題の対策も気になる方がいたら、ぜひ以下の記事もチェックしてみてください。
1次試験の3技能(リーディング・ライティング・リスニング)の対策については、以下の記事を参考にしてください。
2次試験の面接(スピーキング)対策について、気になる方は、以下の記事もおすすめです。
英検1級に合格すれば、大学入試のみならず、多くの機会に優遇を受けられます。モチベーションを高めたい方は、以下の記事も参考にしてください。
英検1級の要約は対策なくして成功なし!
要約問題をクリアするのに最も大事なのは、解答の作り方を体得することです。自由英作文と違って個人の意見を表現する必要はなく、各パラグラフの主張を論理的につなぎ合わせる訓練を積めば、自然と質の高い解答が作れます。
しかし「なかなか要点が掴めない…」「どうパラフレーズするのがベストなの…」と不安に思う方もいるでしょう。そんな方は、ぜひ目黒の英語専門塾ENGLISH-Xで、一緒に要約のトレーニングをしませんか?
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